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テクラボで始めるマイコン超入門 〜読めば分かるCPU・メモリ・周辺機能〜基本に立ち返って解説(3/4 ページ)

» 2026年07月09日 11時00分 公開
[リョーサン菱洋]
リョーサン菱洋ホールディングス株式会社

3. マイコンの周辺回路と機能

 本項では、マイコンを動作させるために必要となる周辺回路とその機能について解説します。

周辺回路

 マイコンを動作させるために必要となる周辺回路は3つあります。

 1. 電源回路

 電子機器において、電源は必須の要素です。一般的なマイコンは3.3Vや5Vといった直流電圧で動作するため、動作に必要な電圧を供給する必要があります。

 電源回路は、外部(商用電源や電池)から供給される電力を、マイコンに供給するための回路です。マイコンの動作に適切な電圧、電流に変換し、供給する役割を持ちます。マイコンに電力を供給する際の要点として、「絶対最大定格」と「推奨動作条件」という電気的特性が規定されています。

※ 電気的特性:マイコンが正しく効率的に動作するために必要となるパラメータ。電圧、電流、電力、抵抗等がある。

電源回路 電源回路

  絶対最大定格
   電子機器に物理的な損傷や、極度の劣化が生じないことを保証する条件です。
  電気的特性に規定されており、一瞬たりとも超えてはならない規格です。絶対最
  大定格を一瞬でも超えてしまうと、品質保証ができません。電子機器が損傷しな
  いよう、必ずこの定格値を超えない範囲で使用する必要があります。

  推奨動作(動作保証)条件
   マイコンの正常動作を保証する条件です。電気的特性に規定される「推奨動作
  条件」を1項目でも満たさなければ、電気的特性に記載されたスペックは保証され
  ません。

 2. 発振回路

 クロックとは、マイコンの動作を同期させ、処理速度やタイミングを決める一定周期のパルス信号です。1秒間のクロック振動数のことを周波数と呼び、ヘルツ(Hz)という単位で表します。数値が大きい程、マイコンの処理速度が上昇します。例えば、最大動作周波数が32MHz(3,200万回/秒のクロック振動)のマイコンのクロックは、1周期(1クロック周期)が約31ナノ秒となります。

発振回路 発振回路

  外部クロック
   マイコンの外部から供給されるクロックを「外部クロック」といいます。外部
  クロックには主に水晶発振子やセラミック発振子が使われます。

  内部クロック
   マイコンに入力された外部クロックを、マイコン内部にて逓倍/分周すること
  で「内部クロック」を生成できます。CPUの命令実行や周辺機能の動作の基準と
  なるクロックであり、「システムクロック」や「CPUクロック」と呼ばれます。

※ 逓倍:周波数をn倍にすること
※ 分周:周波数を1/n倍にすること

  オンチップオシレーター
   マイコン内部に搭載されたクロック発生回路を「オンチップオシレーター」と
  呼びます。この回路を使用することで、外付けの発振回路を削減できます。また、
  外付けの発振回路が停止してしまった際は、代用クロックとして活用可能です。

 3. リセット回路

 電子機器の電源投入時、マイコンは不安定な状態になるため、正常に動作させるにはリセットによる初期化が必要です。リセットは、マイコンに電源とクロックが安定して供給されてから、リセット信号をローレベルに一定期間保つことで行います。これには専用のリセットICや、抵抗とコンデンサーを用いた回路でリセット信号を生成し、マイコンのリセット信号端子に入力してマイコンを初期化します。

リセット回路 リセット回路

  リセット
   CPU動作中にリセット端子にローレベルを入力すると、CPUはリセット状態と
  なりマイコンが初期化されます。リセット信号入力端子の電圧がハイレベルに変化
  すると、リセット状態が解除されてプログラム実行状態となります。プログラム
  実行中、リセット端子には常にハイレベルの信号を入力します。

  パワーオンリセット(POR)
   電源電圧が検出電圧以下になると、マイコン内部でリセット信号が発生し、
  動作電圧以上に回復した際にリセットが解除される機能です。

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