サンケン電気が、LLC電流共振型スイッチング電源用コントロールIC「SSC3S932A」の量産を開始した。定常動作時の過電流保護を最適化し、瞬間的なピーク負荷への対応範囲を拡大。大型テレビなどのAV機器をはじめ、OA機器や産業機器、通信機器などの電源用途を想定する。
サンケン電気は2026年10月28日、LLC電流共振型スイッチング電源用コントロールIC「SSC3S932A」の量産を開始したと発表した。定常動作時の過電流保護を最適化し、瞬間的なピーク負荷への対応範囲を拡大した。大型テレビなどのAV機器をはじめ、OA機器や産業機器、通信機器などの電源用途を想定する。
SSC3S932Aは、LLCタイプの電流共振型SMZ(Soft-switched Multi-resonant Zero Current Switch)方式に対応した電源制御ICだ。SMZ方式は、全てのスイッチング領域でソフトスイッチング動作を行う方式で、同製品はハイサイドのパワーMOSFETを駆動するフローティングドライブ回路を内蔵している。
補助電源を外付けする構成で「待機電力を30mW以下に抑えたい用途に適している」としている。また、ICの動作電源電圧範囲は11.9V〜32V未満と広く、補助電源の設計を容易にしている。
今回の製品では、定常動作時の過電流保護(OCP)を最適化した。従来品「SSC3S932」と同様に、ピークドレイン電流を検出する2段階の過電流保護機能を搭載するが、定常動作時の保護動作を変更することで、瞬間的なピーク負荷への対応範囲を拡大した。
具体的には、従来品では起動/再起動時と定常動作時のいずれも、第1段階の過電流保護(OCP1)のしきい電圧を±1.9V(標準値)としていた。これに対し、新製品では起動/再起動時には従来と同じ±1.9V(標準値)を適用する一方、定常動作時にはOCP1を動作させず、第2段階の過電流保護(OCP2)のしきい電圧である±2.8V(標準値)を適用。これによって、定常動作中に一時的に大きな電力が必要になった場合でも、過電流保護による動作制限を受けにくくした。サンケン電気は「大型テレビで瞬間的に大きな音量を出す場合などのピーク負荷要求に対応できる」と説明している。
負荷短絡などによって急激な過電流が発生した場合には、従来品と同様に±2.8V(標準値)のしきい電圧でOCP2が動作する。
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