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コンデンサの選び方オーディオ品質を高めるための(4/4 ページ)

» 2007年07月01日 00時00分 公開
[Kymberly Schmidt(米Maxim Integrated Products社),EDN]
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容量値の計測方法

 本編で示した通り、コンデンサに印加される電圧が変化すると、容量値も変化する。ここでは、容量値の計測方法や計測時の注意点を紹介しておく。

■計測方法

 DC電圧を印加した際の容量値を測定するには、計測対象のコンデンサ(CDUT)と1.5kΩの抵抗(公差±1%)を直列に接続する(図A)。この回路によりローパスフィルタが形成されるので、ゲインが3dB低下するカットオフ周波数f3dBを計測することによって、DC電圧印加時の容量CDUTがCDUT=1/(2π Rf3dB )として求めることができる。カットオフ周波数f3dBを計測するための信号としては、例えば100mVrmsのAC信号をDC電圧に重畳したものを用いることになる。

図A DC電圧印加時の容量値を計測する回路モデル 図A DC電圧印加時の容量値を計測する回路モデル  測定は、DC電源と100mVrmsのAC信号源、抵抗、計測対象コンデンサなどを直列に接続して行う。

 図Bは、上述した条件で測定した結果の例である。この例は、印加DC電圧を0〜定格電圧の範囲で1Vごとに増加した場合におけるf3dBの計測結果を示している。これらのf3dBの計測結果から求めたCDUTの値を表Aに示す。

図B 図Aの回路における周波数特性の測定結果 図B 図Aの回路における周波数特性の測定結果  DC電圧を0〜10Vの範囲で1Vずつ変化させた場合の周波数応答を示している。例えば、1kHzの信号の振幅を0dBとすると、周波数100Hzの信号はDC電圧を印加しない場合には4dB降下するが、10Vを印加すると8dB降下する。
表A DC電圧の印加による電流変化率の測定結果 表A DC電圧の印加による電流変化率の測定結果  容量変化率は0V印加時を基準にしている。

 AC電圧の印加によるコンデンサの容量変化は、図Aの回路モデルからDC電源を省くことで計測が可能である(図C)。

図C AC電圧印加時の容量値を計測する回路モデル 図C AC電圧印加時の容量値を計測する回路モデル  可変AC信号源と固定抵抗、計測対象コンデンサを直列に接続する。

■計測時の注意点

 計測時の注意点を以下に挙げる。まず、直列抵抗Rを信号源出力インピーダンスに対し十分高くする必要がある。信号源としてAP社製信号発生器を使用する場合には、信号源の出力インピーダンスは40Ωである。

 次に、f3dBを100Hz近辺になるようにすると印加DC電圧の影響が最も顕著に現れるので試験が容易になる。−3dB周波数を20Hzにするのは、AP社製オーディオアナライザの計測範囲が10Hz以上なので適切ではない。


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