本稿では、冷蔵庫のドアが開けっ放しになっていた場合に、そのことを知らせてくれる回路を紹介する。図1に示した回路は、脚注1の文献*1)で紹介されている同種の回路よりも構成が簡単で動作も確実である。筆者はこの回路を数年前に組み立てたのだが、そのときから9Vの電池を交換することなく現在も稼働している。
この回路は、冷蔵庫のドアが開けっ放しになっていたら、庫内の照明によってフォトレジスタ(フォトセル)PC1の抵抗値が下がることを利用する。冷蔵庫のドアが閉まっていて庫内が暗い状態にあり、PC1の抵抗値が30kΩ程度以上であると、バイナリカウンタIC1はリセットの状態になる。実際にはPC1の暗抵抗は通常200kΩ以上あるので、この状態での消費電流は40μA以下である。冷蔵庫のドアを開けて庫内の照明が点灯し、PC1の抵抗値が15kΩ程度以下になると、リセット状態が解除されたIC1がカウントを始める。その時点から20秒が経過すると、その後、20秒間ブザーが鳴ってドアが開いていることを知らせてくれる。この状態での消費電流は約2.5mAである。もちろん、ブザーが鳴っている間にドアが閉められれば、ブザーは停止する。
フォトレジスタとしては、米Jameco Electronics社の「202403 CDS0018001(暗抵抗が200kΩ、明抵抗が3kΩ)」など、ほとんどのものが使用できる。ブザーには、米RadioShack社の「273-074」を使用した。これ以外の同様の圧電ブザーも、動作電圧が1.5V〜15Vの範囲であれば使用できる。回路の電源電圧は3Vまで下げることが可能だが、電源電圧を下げるほど、ブザーの音量は小さくなる。
※1…Babu, TA, "Alarm Sounds When Refrigerator Door Remains Open Too Long," Electronic Design, March 26, 2009, p.46
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