コイルの基本、選択のポイント:抵抗/コンデンサ/コイルの基本を学ぶ(4)(4/4 ページ)
本連載では4回にわたって、抵抗/コンデンサ/コイルの基本的な特性/仕様、その種類と選択方法、具体的な利用例について解説してきた。抵抗/コンデンサ/コイルは電気/電子回路における基本要素だが、それぞれの部品自体が抵抗値、容量値、インダクタンスの各要素で構成されていることも理解できたであろう。これらの受動部品を使用するにあたって、理解し、検証すべき重要な項目について簡単にまとめると次のようになる。
- 各特性の初期値と誤差(規定条件)
- 各特性の変動要因と変動量(対温度、対周波数、対印加電圧など)
- 使用目的に応じた最適な種別の選択(特性/仕様)
実際の設計において、少なくとも上記の3項目の検討を実践している限り、大きなトラブルは避けることができるはずだ。なお、本連載ではチップ部品で特に重要になる、プリント基板への実装技術(ランド設計、はんだ条件、洗浄条件)や信頼性、海外規格などに関する解説は割愛した。これらについては、別の機会に譲るということでご了承願いたい。
- 部品の誤差は何に効くのか?
アナログ信号処理回路では、使用個所によっては、抵抗、コンデンサ、コイルの特性/仕様が直接、システムの特性/精度に影響を及ぼすことがある。また、これらの部品の選択を誤ると、予期せぬトラブルに遭遇するケースもある。本稿では、抵抗、コンデンサ、コイルそれぞれの基本特性について解説するとともに、実際のアプリケーションにおける部品選択のポイントを4回にわたって紹介する。その1回目となる今回は、抵抗、コンデンサ、コイルの誤差が回路へ及ぼす影響について検討する。
- 抵抗の基本、選択のポイント
今回は、電気/電子回路の中で最も基本的な要素である抵抗について解説する。回路図上での抵抗のシンボルマークはその種類に関係なくすべて同じだが、実際には目的に応じて、抵抗の種類、精度(誤差)、定格電力、形状などの各要素を総合的に検証し、使用する製品を選択しなければならない。ここで誤った判断をすると、アプリケーション、回路によっては思わぬトラブルに遭遇するケースもある。すなわち、抵抗1本にも“適材適所”が存在するということだ。
- コンデンサの基本、選択のポイント
今回は、コンデンサを取り上げる。受動部品の中で、コンデンサほど種類の多いものはない。それだけ、アプリケーションに応じてコンデンサを適切に選択することが重要だと言える。本稿では、まずコンデンサの基本的な特性項目と種類別の特徴について説明する。さらに、各種用途においてどのようなコンデンサを選択すればよいのか、そのポイントを紹介する。
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