シリコン・ラボラトリーズの8ビット無線マイコン「Si106x」「Si108x」は、低消費電力のマイコンコアと、サブギガヘルツのRFトランシーバを搭載したものだ。長距離の無線通信が必要な用途向けに、コストと性能を最適化した製品になるという。
シリコン・ラボラトリーズは2013年12月、8ビットの無線マイコンファミリ「Si10xx」の新製品「Si106x」「Si108x」を発表した。インテルの低消費電力の8ビットコア「8051」と、同社のサブギガヘルツのRFトランシーバである「EZRadioトランシーバ」および「EZRadioPROトランシーバ」を1パッケージに集積したもの。ホームオートメーション、セキュリティ、アクセス制御、センサーネットワーク、IT資産管理といった用途に向ける。
Si106x/Si108xの対応周波数帯域は、142〜1050MHz。プライオリティ・クロスバー・デコーダを搭載していて、これによって10ビットA-Dコンバータ、デュアルコンパレータ、4個の16ビットタイマー、UART/SPI/I2Cなどを自由に制御できる。クロスバー・デコーダは柔軟なコンフィギュレーションが可能だという。
Si106x/Si108xに搭載されているEZRadioPROは、長距離アプリケーション用のトランシーバで、−126dBmの感度と+20dBmの出力を備える。要件が厳しい用途ではこのEZRadioPROを活用でき、その場合は146dBのリンクバジェットを実現し、12.5kHzのチャンネル間隔における60dBの隣接チャネル選択度により、過酷なRF環境でも堅ろうな動作が可能だという。
消費電力は、+10dBm伝送時で18mA、低電力受信モード時で10.7mA。シャットダウン時は30nA、スタンバイ時は50nA、スリープモード時は600nAとなっている。動作電圧範囲は1.8〜3.6Vだが、内蔵のDC-DCコンバータにより0.9〜3.6Vでの動作も可能だ。
外形寸法が5×6mmの36端子QFNパッケージで提供される。サンプル出荷、量産出荷ともに既に開始していて、1万個購入時の参考単価は2.25米ドルから。開発キットも、299米ドルで提供する。
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