優れたアーク放電耐性を持つ1500V耐圧のMOSFET：STマイクロ TO-220FP wide creepage製品

STマイクロエレクトロニクスは、「TO-220 FullPAK（TO-220FP）wide creepage」パッケージを採用したパワーMOSFET製品を発表した。テレビやPCの電源アダプター用途に適したパッケージで、耐圧1500V品なども含まれる。

[EDN Japan]

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　STマイクロエレクトロニクスは2016年8月、「TO-220 FullPAK（TO-220FP）wide creepage」パッケージを採用したパワーMOSFET製品を発表した。このパッケージは、テレビやPCの電源アダプター用途に適しており、耐圧1500V品なども含まれる。

　TO-220FP wide creepageは、アーク放電に対する耐性を高めたパッケージである。パッケージの端子間距離は4.25mmと広い。これまでの一般的な電源アダプター用パワーMOSFETだと、端子間距離は2.54mmと狭かった。

　そのため機器メーカーは、端子間の放電を防止するための樹脂ポッティングやリードフォーミング、絶縁スリーブ、絶縁シールといった追加作業を行い、アーク放電への対応などを図っていた。TO-220FP wide creepageに実装した製品は、こうした追加作業を行わなくても、安全規格への適合などが可能になるという。

TO-220FP wide creepageを採用したパワーMOSFET製品の外観

　アーク放電耐性に加え、従来パッケージ「TO-220FP」の特長である優れた電気特性も兼ね備えている。外形サイズは同等であり、設計や組み立て工程において、これまでの開発資産を有効に活用することができるという。

　TO-220FP wide creepageは、韓国の電源メーカーであるSoluMと協力して開発した。このパッケージを用いたパワーMOSFET製品は、低オン抵抗の耐圧600V品を4製品、耐圧1500V／1200Vの「STFH12N150K5／STFH12N120K5」などを用意している。既に、大手テレビメーカー向けに製品を増産中だという。