ロームは、車載電子制御ユニット向けに、昇降圧電源チップセットを発表した。昇圧機能付きの降圧DC-DCコンバーター「BD8P250MUF-C」と、昇圧専用IC「BD90302NUF-C」で構成される。
ロームは2018年10月、車載電子制御ユニット(ECU)向けに、昇圧機能付きの降圧DC-DCコンバーター「BD8P250MUF-C」と昇圧専用IC「BD90302NUF-C」で構成される昇降圧電源チップセットを発表した。現在サンプルを出荷しており、価格は1000円/個(税別)。量産開始は2019年1月で、月産10万個を予定する。
降圧DC-DCコンバーターのBD8P250MUF-Cには、独自の昇降圧制御技術「Quick Buck Booster」を搭載。昇圧専用のBD90302NUF-Cと組み合わせることで、同一基板上で昇降圧と降圧を容易に切り替えることができる。昇降圧電源と降圧電源の電源基板に加え、周辺部品、ノイズ対策の設計を共通化できるため、個別に電源基板を設計する場合に比べて開発工数を50%削減する。
昇降圧電源として使用する場合、無負荷時の消費電流は8μA(一般品比70%減)。出力コンデンサーは44μF、出力電圧変動は±100mVで、短時間に著しい入力電圧低下が発生するアイドリングストップ搭載車などに対応する。
また、電磁妨害(EMI)ノイズ対策として、スペクトラム拡散機能を搭載。車載機器のノイズに対する国際規格「CISPR25」をクリアする。入力電圧範囲は最大36Vで、ECUが駆動できる5Vの安定出力を可能にした。動作温度範囲は、−40〜125℃となっている。
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