劣化した車のバッテリーを改善する方法を調べたところ、「デサルフェーション回路」という改善回路があることを知った。実際に試作し検証を行ったので、その経緯を報告する。
冬場になるとマイカーの調子がいまいち良くない。1月のある寒い日、遠方への出張のため朝6時ごろに自宅を出発したのだが、信号で停車時に車がエンストしてしまった。エンジンはすぐに再始動できたが、その後も、停車するたびにエンストした。
そこで、少し周囲は暗いがライトを消してみると、停車してもエンストせずに走れるようになった。バッテリーがかなり弱くなっているようだった。「こんな状態で100km以上の山越えの道を走れるのか」と、かなり不安だったが、走る速度が上がったら停車してもエンストしなくなった。
この経験で、劣化したバッテリーで車を走らせることの怖さを強く実感した。マイカーのバッテリーは月に一度くらい充電していたが、充電するだけではバッテリーの劣化は防げなかったようだ。筆者が使っていた古いバッテリーと充電器の写真を図1に示す。
古いバッテリーは容量が非常に大きく高性能の製品だった。だから、十分に余裕があると思って、エンジンを切ってもカーナビのテレビとオーディオを使っていた。しかし、結果的にこれがバッテリーの寿命を短くしてしまったようだ。
帰宅してバッテリーを交換しようと思ったが、このバッテリーは、まだ購入して1年程度であり、バッテリーの劣化は他にも何か原因がありそうだった。取りあえず、バッテリーを改善する方法をWebで調べたところ、『デサルフェーション回路』という名前のバッテリーの改善回路に関するページが多数見つかった。今回は、カーバッテリーの改善回路の試作について報告する。
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