ルネサス エレクトロニクスは、電力線通信モデムIC「R9A06G061」を発売した。通信速度が最大1Mビット/秒で、中継なしで1km以上の長距離通信が可能だ。
ルネサス エレクトロニクスは2021年11月、PLC(電力線通信)モデムIC「R9A06G061」を発売した。通信速度が最大1Mビット/秒で、中継なしで1km以上の長距離通信に対応する。
R9A06G061は、アナログフロントエンド回路(AFE)とデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、マイクロコントローラー(MCU)「Arm Cortex-M0+」で構成される。DSPでOFDM変復調信号処理(物理層)を、MCUで上位インタフェースとのプロトコル変換処理を実行する。
最大動作周波数は、DSPが276MHz、MCUが92MHz。ネットワークは、バスやスター型のシンプルなP2P構成に特化した。送信駆動能力を向上させることで、従来品の2倍となる200台超の多数台接続が可能だ。
電源電圧は3.3Vで、−40〜+85℃の温度範囲で動作する。パッケージは6×6mmの40ピンQFN(0.5mmピッチ)を採用した。アナログ周辺機能の最適化により外付け部品を削減でき、システムの小型化、低コスト化に寄与する。
PLCの主な用途であるスマートメーターに加えて、ビル内のHVAC(Heating、Ventilation、and Air Conditioning)や照明システムの制御、太陽光発電システムのストリング監視、パワーコンディショナー制御、セルラー用アンテナの監視、水中ポンプのモーター監視といった用途に適する。
なお、AC電源とDC電源用それぞれの評価キットも併せて提供を開始した。同キットとPC上で動作する通信性能評価ツールを用いることで、通信特性の評価やエラー解析、トラブルシューティングが可能となる。
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