STマイクロエレクトロニクスは、48V電源アーキテクチャに対応した車載用ゲートドライバー「L98GD8」を発表した。8チャンネル構成とさまざまな診断機能により、マイルドハイブリッド車の効率化に寄与する。
STマイクロエレクトロニクスは2025年10月、48V電源アーキテクチャに対応した車載用ゲートドライバー「L98GD8」を発表した。1000個購入時の参考価格は約3.94米ドル(約600円)だ。
同製品は、8チャンネルの独立出力を備えていて、1つのICで最大8個の電源スイッチを制御できる。ハイサイド、ローサイドいずれのMOSFET駆動にも対応可能。最大58Vの電源電圧で動作する。マイルドハイブリッド車など向けのスタータージェネレーターや電動モジュールの電源制御に適する。
DCモーター駆動用に、2つのHブリッジを構成可能。電動バルブのピーク&ホールド制御にも対応する。ゲート電流のプログラム機能により、スイッチングノイズを抑制可能。加えて、各チャンネルにバッテリーとの短絡やオープン負荷、グランド短絡の診断機能を備えた。
自己テスト(BIST)や過電圧、低電圧モニター、通信チェック用ウォッチドッグタイマーなども搭載。外部MOSFETのドレインソース間電圧や外部シャント抵抗のモニターによる過電流検出、二重冗長構成の過電流遮断機能、バッテリー電圧および温度モニター、Hブリッジ電流制限など、さまざまな保護、監視機能を備えた。パッケージは10×10mmのTQFP64を採用している。
近年、自動車の電動化に伴い、12V系に比べて高出力機器の駆動に適した48V電源の採用が進んでいる。これにより、電動コンプレッサーやポンプ、バルブなどの大電力デバイスの効率的な制御が可能になり、車両の燃費向上や排出ガス低減にも寄与する。
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