今回の回路アイデアは、シャント電圧レギュレーター「TLx431」を2個組み合わせて、プログラマブルな利得を持つ電流ミラーを作るというものだ。
電流ミラー回路のさまざまな設計は、米国EDNの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」で活発な話題になっている。通常、ミラー設計者の狙いはミラーの入力電流と出力電流を正確に等しくすることだが、図1はそこから少し脇道にそれた例を示している。従来の電流ミラーの厄介事であるアーリー効果などの影響を受けないため、等価という基準は十分に満たせるだけでなく、入力電流と出力電流が意図的に異なる用途でも、高い汎用性を発揮する。
筆者はしばらく前に、由緒あるシャント電圧レギュレーター「TLx431」ファミリーを、プログラマブル電流レギュレーターとして使うアイデアを公開した。「Precision programmable current sink」(英文)だ。
図1は、今回もそれらの汎用性を示していて、今度はTLx431を2個組み合わせて、プログラマブルな利得を持つ電流ミラーを作った。
基準電圧が2.5VのTL431と、1.24VのTLV431のどちらを選ぶかは、電流定格と電圧定格の違いに基づいて決められる。電流はTL431が1m〜100mAで、TLV431は100μ〜15mA。電圧は、TL431が2.5〜36Vで、TLV431は1.24〜6Vだ。
有用なレギュレーション(そしてミラー動作)が起きるためには、I1とI2の両方が、それぞれの電流範囲内に収まらなければならない点に注意してほしい。ミラーの最小入力電圧は、Vref + I2R2だ。
もちろん、これらの小型デバイスの控えめな放熱限界にも配慮しなければならない。しかし、最大電流(および電力)能力は、図2に示す単純な工夫によって、事実上、制限なく拡張できる。
そしてもう1つ。
Z1は、R1とZ2のためのバイアス電圧を供給するのが仕事の全てで、基本的に手持ち無沙汰だと、もっともらしく指摘されるかもしれない。しかし、図3に示すトリックを使えば、Z1にもっと面白い仕事を与えられる。この方式は任意のI1/I2比を扱えるだけでなく、固定のオフセット電流も加えられる。方法は次の通りだ。
図3:抵抗6本とトランジスタ1個を、2個のTL431に追加すれば、この0/20mA→4/20mA電流ループコンバーターを作れる。Z2は、Z1が与える500mVのオフセットと、電流センサーR1が作る0〜2Vを加算し、次にそれをR2でスケーリングして、4〜20mAを出力する。さらにQ1によるブーストによって、最大36Vまでのループ電圧に対応できる。なお、R1、R2、R4、R6は高精度品である必要がある[クリックで拡大]ここで得られるのは、Design Ideasによく寄稿しているR Jayapal氏による以前のアイデア「A 0-20mA source current to 4-20mA loop current converter」(英文)から借用したアプリケーションに対する(いくぶん簡単な)解だ。
電子設計では、目的を達成する方法は1つではないようだ。
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