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AI向けは「MEMSより有利」 京セラ、差動クロック用水晶発振器を投入独自の製造技術で低ノイズ/低消費電力に(1/2 ページ)

京セラは、「業界最高レベル」(同社)の低ノイズを実現した差動クロック用水晶発振器「Xシリーズ」を発表した。AIサーバなど高速データ通信用途の低ノイズ/低消費電力化に貢献する。同製品の特徴や京セラの水晶デバイスの強みについて、製品担当者に聞いた。

» 2026年03月27日 11時00分 公開
[EDN Japan]

 京セラは2026年2月、「業界最高レベル」(同社)の低ノイズを実現した差動クロック用水晶発振器「Xシリーズ」を発表した。AIサーバなど高速データ通信用途の低ノイズ/低消費電力化に貢献する。

 同製品の特徴や京セラの水晶デバイスの強みについて、製品担当者に聞いた。

京セラの差動クロック用水晶発振器「Xシリーズ」 京セラの差動クロック用水晶発振器「Xシリーズ」[クリックで拡大] 出所:京セラ

AIサーバで高まる低ジッタ需要

 差動クロック用水晶発振器は、AIサーバなど高速かつ大容量のデータ通信向けに用いられる水晶発振器だ。スマートフォンなどの民生機器で使われるクロック水晶発振器は主に1波出力だが、差動クロック用発振器は2波出力で、受信側で2つの信号の差分を読み取ることからノイズに強い。安定した信号伝送ができることから、高速/長距離伝送にも適する。

 近年、5Gネットワークの拡大やAIデータセンターの高速化に伴って、ネットワーク機器やサーバでより高速かつ信頼性の高いデータ通信が求められている。このことから、信号のタイミングのずれである位相ジッタが小さい差動クロック用水晶発振器の需要が高まっている。

従来比25%低ジッタ、消費電力は42%削減

 Xシリーズは、位相ジッタが30フェムト秒と「業界最高レベルの低ノイズ」(京セラ)で、こうした需要に応える製品だ。従来の同周波数製品と比べ、位相ジッタは約25%低減している。消費電力はは156.25MHz(LV-PECL出力)においては29mA(代表値)と、従来品に対して約42%削減した。

 こうした特徴を実現したのは京セラ独自の製造技術だ。京セラは水晶デバイスにおいて、材料である人工水晶の育成や加工から一貫した製造を行っている。従来、水晶素子は大きな結晶から機械加工でウエハーを切り出し、小さく切断して製造するが、小型/薄型化には限界があった。対して京セラは、半導体製造技術を応用したフォトリソプロセスとプラズマ化学的気相加工法(プラズマCVM)を採用し、量産装置も開発。化学的に加工することで均一かつ微細な加工を実現している。消費電力の削減には新型の差動出力発振ICの採用も貢献した。また、京セラが「世界一」(同社)のシェアを有するセラミックパッケージ技術も水晶デバイス事業の強みだ。

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