産業用IoTやコネクテッドカー、スマートフォン向けに5Gチップ/モジュールの需要が高まっている。5G-Advancedや衛星通信に対応し、高集積化や低消費電力化を進めた10製品を紹介する。
産業用IoT、自動車のコネクテッド化、スマートフォンなどの分野で5Gの採用が拡大する中、用途に特化した5G半導体やモジュールの需要が高まっている。半導体メーカー各社は、5G-Advanced、衛星を利用した非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)通信、5G固定無線アクセス(FWA:Fixed Wireless Access)、5G New Radio(NR)などへの対応を進めている。
こうした5G半導体やモジュールの多くは、3GPP(Third Generation Partnership Project)のRelease 17(Rel.17)やRelease 18(Rel.18)の機能を備え、旧規格との後方互換性を確保している。さらに、5G-Advanced向けのRelease 19(Rel.19)への対応も進み、6Gの開発に向けた基盤が整いつつある。また、半導体メーカー各社は、IoT機器向けに低コストで5G通信を実現する5G RedCap(Reduced Capability)にも注力している。
これらの製品では、開発の簡素化や消費電力、実装面積の削減に向け、集積度の向上と設計の柔軟性確保が重視されている。性能向上を目的としたAI機能の統合も進んでいる。
本記事では、過去1年間に登場した5G半導体やモジュールの中から、性能向上によって幅広い用途での5G採用を後押しする10製品を紹介する。
Qualcomm Technologies(以下、Qualcomm)は、「業界初」(同社)となる3GPP Release 19(Rel.19)対応を見据えたモデム「X105 5G Modem-RF」を発表した。同製品は、6Gの開発や試験に向けた基盤となるものだ。同社の「X105」5G-Advancedプラットフォームは、データ通信速度と電力効率を向上させるとともに、4周波数帯対応の全球測位衛星システム(GNSS)や、5G NRを利用したNTN通信への対応を実現した。第5世代のAIプロセッサを統合し、エージェント型AIによって、ユーザーの利用状況に応じたデータトラフィックの検出、分類、最適化を行う。
Qualcommは、X105プラットフォームについて、複数の業界初の技術を実現したと主張している。RFトランシーバーには「業界初」(同社)の6nmプロセスを採用し、前世代比で消費電力を最大30%、基板実装面積を15%削減した。また、L1、L2、L5、L6の4周波数帯に対応し、複数の衛星測位システムを統合利用できるGNSSエンジンを初搭載。これにより、測位精度も向上している。
X105 5G Modem-RFは、NR-NTNを介したビデオ通話、動画ストリーミング、データ通信、音声通話、メッセージングに対応する。下りの最大通信速度は14.8Gビット/秒(bps)で、サブ6GHz帯のみでも最大13.2Gbpsを実現する。上りの最大通信速度は4.2Gbpsで、アップリンク容量と通信速度の拡大に対する需要にも対応する。
Rel.19対応を見据えたアーキテクチャを採用するX105 Modem-RFシステムは、スマートフォン、FWA、モバイルブロードバンド、自動車、クロスリアリティ(XR)、PC、ロボット、産業用IoTなどの分野で5G-Advancedの採用を加速させることを目指している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング
コーナーリンク