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スマホから車載、産業機器まで 5Gを支える最新半導体10選:AIに衛星通信、6Gも視野に(3/5 ページ)

» 2026年10月26日 11時00分 公開
[Gina Roos,EDN]

AI処理性能が2倍に、スマホ向けSoCが進化

 MediaTekは2025年後半、オンデバイスAI、コンソールゲーム機並みのゲーム性能、電力効率を新たな水準に引き上げるSoC「Dimensity 9500」を発表した。MediaTekによると、同製品は「次世代のフラグシップ5Gスマートフォンの性能を飛躍的に高める」ために設計されたという。

 Dimensity 9500は、第3世代の「All Big Core」CPU設計を採用し、4.2GHzのウルトラコア1基、プレミアムコア3基、パフォーマンスコア4基を組み合わせ、4レーンのUFS 4.1ストレージに対応する。前世代と比較して、シングルコア性能が最大32%、マルチコア性能が17%向上した。ウルトラコアは、ピーク性能時の消費電力を最大55%削減し、バッテリー駆動時間の延長と生産性の向上を実現する。また、ゲームやソーシャルオーディオ通話アプリのマルチタスク時には、電力効率が最大30%向上するとしている。

 同プラットフォームは、新しいキャッシュとメモリアーキテクチャも採用し、「業界で初めて」(同社)4チャネルUFS 4.1に対応したという。読み書き速度が2倍になり、大規模AIモデルの読み込み速度が40%向上する。さらにMediaTekは「第2世代の『Dimensity Scheduling Engine』によって、高負荷のワークロードでも滑らかな応答性と持続的な効率を実現する」説明する。

 Dimensity 9500は、ArmのGPU「G1-Ultra」を統合し、ピーク性能を最大33%、電力効率を42%向上させた。また、フレーム補間の高フレームレート化や、最大120フレーム/秒のレイトレーシングに対応し、コンソールゲーム機並みの高品質なゲーム体験を実現する。

 MediaTekによると、第9世代NPU「MediaTek NPU 990」と「Generative AI Engine 2.0」の統合によって演算能力が2倍になるとともに、消費電力を最大33%削減する「BitNet 1.58ビット」の大規模モデル処理に対応した。Dimensity 9500は、新たに追加された「Super Efficient NPU」において、コンピュートインメモリアーキテクチャを初めて統合した製品でもある。

 整数演算と浮動小数点演算の処理能力を2倍にすることで、30億パラメーターの大規模言語モデル(LLM)の出力速度を100%向上させ、128Kトークンの長文処理や4K超高精細画像の生成を可能にした。同社によると、ピーク性能時の消費電力も56%削減するという。

 Dimensity 9500は「MediaTek Imagiq 1190」を搭載し、RAW領域での前処理、最大2億画素の画像撮影、30フレーム/秒(fps)の連続フォーカス追跡、新しいポートレートエンジン、映画品質の4K/60fpsポートレート動画に対応する。最新の「MiraVision Adaptive Display」技術も提供する。

 同プラットフォームの接続機能には、Bluetooth通話の強化、高速Wi-Fi転送、マルチネットワークインテリジェンスなどが含まれる。AIを活用した通信技術により、5Gで最大10%、Wi-Fiで最大20%の消費電力削減を実現するとしている。また、5CCキャリアアグリゲーションによって帯域幅を15%拡大する。さらに、MediaTekによると、AI測位技術とネットワーク選択技術によって精度が20%向上し、AIによる輻輳予測によってネットワーク遅延を50%削減するという。

50M〜10GHzをカバー、RFスイッチの多段接続を不要に

 Qorvoは最近、マルチバンド無線アーキテクチャの簡素化を目的とした5G無線機向けRFスイッチ製品群を発表した。対応周波数範囲は50M〜10GHzだ。これらのデバイスは部品点数を削減し、信号品質を向上させるとともに、5Gインフラのほか、産業機器、ドローン、試験用途などで、より効率的なRFシステム設計を可能にする。

 Qorvoによると、5G無線機がより広い帯域幅や多くの周波数帯に対応する中、設計者はサイズや損失、複雑さを増やさずにアイソレーションと信号品質を維持するという課題に直面している。多くの設計では、スイッチを多段接続するアーキテクチャや複数の狭帯域デバイスを使用しているが、これによって挿入損失が増加し、線形性や信号品質が低下するほか、基板面積や設計工数も増えるという。

 広帯域かつ高アイソレーションのRFスイッチ製品群は、5G無線機でスイッチを多段接続する必要をなくすことで、こうした課題に対応する。Qorvoは「このアプローチにより、挿入損失を削減し、信号の線形性を維持するとともに、設計を簡素化できる。デジタルプリディストーションのフィードバックなどの用途で、受信機の性能を向上させる」と説明する。

 同製品群は、次の3製品で構成される。

  • QPC6144:高アイソレーションの切り替え向けSP4T広帯域スイッチである。単一デバイスで65dBを超えるアイソレーションを実現し、スイッチの多段接続を不要にする。
  • QPC6122、QPC6188:QPC6122は小型広帯域切り替え向けのSP2Tスイッチ、QPC6188は柔軟な広帯域信号経路切り替え向けのSP4Tスイッチだ。いずれも50M〜10GHzで広帯域の吸収型スイッチングを提供し、RF信号経路の切り替えを単一プラットフォームで実現できる。これらのデバイスは部品点数を削減し、設計を簡素化する。また、広い帯域幅にわたって低挿入損失と高い線形性を維持し、校正経路、一般的な信号経路の切り替え、マルチバンド動作に対応する。
[クリックで拡大] 出所:Qorvo

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