SPIフラッシュメモリの新製品を発表した。最大40Mbytes/秒のリード性能を持ち、従来のパラレルI/O NOR型フラッシュメモリと同等、もしくはそれ以上のスピードを実現している。
2009年5月20日、スパンションはシリアル・ペリフェラル・インターフェイス(SPI)フラッシュメモリの新製品「MirrorBit SPI Multi-I/O」ファミリを発表した。
同製品は、32Mbits、64Mbits、128Mbitsの容量帯での提供が予定されており、いずれもシングル(1ビット・データバス)、デュアル(2ビット・データバス)、クワッド(4ビット・データバス)のシリアル・データ伝送に対応している。
すでに、32Mbits製品「S25FL032P」は量産出荷中であり、64Mbits製品「S25FL064P」は2009年6月、128Mbits製品「S25FL129P」は2009年第4四半期にサンプル出荷および量産開始が予定されている。
同製品の性能について、米Spansion CSID エグゼクティブ・バイスプレジデント トム・イビー(Tom Eby)氏は「最大40Mbytes/秒のリード性能を持ち、従来のパラレルI/O NOR型フラッシュメモリと同等、もしくはそれ以上のスピードを実現している」と説明した。
項目 | シリアルI/O | デュアルI/O | クワッドI/O |
---|---|---|---|
データ伝送速度 | 13Mbytes/秒 | 20Mbytes/秒 | 40Mbytes/秒 |
クロック周波数 | 104MHz | 80MHz(*) | 80MHz(**) |
同製品のターゲット分野は、光学ディスク・ドライブ、PC、プリンタなどのPCおよびPC周辺機器、ネットワーク機器、TVやDVDプレーヤ、セットトップボックスなどのコンシューマ機器など。
「一般的に、SPI製品はデータをシリアルに読み取るためASICのピン数が少なくて済む。そのため、パッケージの小型化が可能であり、ボードスペースの削減など、コスト面での優位性を持つ」(同氏)とし、各種アプリケーションが求める要求(パフォーマンス、ピン数の削減、コスト削減など)に対応できるよう設計されている点をアピールした。
なお、32Mbits製品S25FL032Pは、8ピン SOIC(208-mil)と16ピン SOIC(300-mil)、USON(6×5mm)、WSON(6×8mm)で提供。64Mbits製品S25FL064Pおよび、128Mbits製品S25FL129Pは16ピン SOIC、8コンタクト WSON(6×8mm)で提供されるとのこと。
なお、日本法人に続き、本国でも破産保護を申請した同社は再建に向け、今後より収益が見込めるエンベデッド市場へ注力するという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.