オープンコレクタ出力の信号波形は立ち上がりが遅く、それを受けるゲートICの閾(しきい)値付近に出力電圧がとどまる時間が長い。そのため、ゲートICの出力が不安定となり、チャタリングが生じることがある。それを回避するのが、ゲートICのシュミットトリガー入力である。
図1のようなオープンコレクタ回路の場合、シュミットトリガーインバータIC1(TTLタイプの74LS14)への入力電圧は、一般的には図2のように対数的に上昇すると説明される。しかし、実験によって実際の波形を確認すると、写真1のようにIC1の閾値電圧のところで折れ曲がっている。
図1でIC1として使用している74LS14をCMOSタイプの74HC14に置き換えると、このような折れ曲がりは観測されず、図2のような波形になる。しかし、74HC14を用いる場合でも、出力トランジスタQ1のコレクタに接続されているコンデンサC1を取り外し、立ち上がりを速くして観測すると、写真2のように閾値電圧のポイントで変化があった。
CMOSタイプのものであれば入力インピーダンスが高いので影響は見えにくいが、それでも、閾値電圧付近ではこのようなことが起きるのだ。
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