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「業界トップ」の低オン抵抗 急速充電向けMOSFET、ローム独自構造でセル集積度を向上

ロームは、Nチャンネル30V耐圧コモンソース構成のMOSFET「AW2K21」を開発した。2.0×2.0×0.55mmパッケージでのオン抵抗が2.0mΩと低く、部品面積当たりのオン抵抗も低減できる。

» 2025年05月02日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 ロームは2025年4月、Nチャンネル30V耐圧コモンソース構成のMOSFET「AW2K21」を発表した。既に月間50万個体制で量産していて、サンプル単価は500円(税別)。

30V耐圧コモンソース構成のMOSFET「AW2K21」 出所:ローム

 独自構造によりセルの集積度を向上させ、チップ面積当たりのオン抵抗を低減している。1つの素子に2つのMOSFETを内蔵し、同製品1つで受給電回路で求められる双方向保護用途などにも対応できる。また、ロードスイッチ用途の単方向保護MOSFETとしても使用可能だ。

 パッケージは、2.0×2.0×0.55mmのWLCSP2020を採用した。WLCSPは、部品内部におけるチップ面積割合を大きくできるため、部品面積当たりのオン抵抗も低減する。同パッケージサイズでのオン抵抗は2.0mΩ(typ.)で、「業界トップ」(ローム)の低オン抵抗だという。

大電力の急速充電に対応

 オン抵抗の低減によって、電力損失の低減や大電流化に寄与し、超小型ながら大電力の急速充電に対応する。小型機器の受給電回路で比較した場合、一般品は3.3×3.3mmの製品が2つ必要だが、同製品は2.0×2.0mmの1つで対応可能で、部品面積を約81%削減し、オン抵抗を約33%低減できる。

 主な仕様は、VDDSが30V、RDD(on)が4.0mΩ(Max.)、IDが±20A。最大接合部温度は150℃だ。

 RoHS指令に準拠し、鉛フリー対応済み。スマートフォンやVR(仮想現実)ゴーグル、ウェアラブル端末などのUSB VBUS保護やバッテリー保護、ロードスイッチに適する。ロームは、さらに小型の1.2×1.2mm製品の開発も進めている。

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