製造に大量のエネルギーを消費するプリント基板(PCB)。製造時の環境負荷を抑えるための取り組みが、半導体/エレクトロニクス業界全体で進められている。
従来のプリント基板(PCB)の製造は無駄が多く、エネルギーを大量に消費し、環境に悪影響をもたらす材料も含まれている。そのため、材料の無駄とエネルギー要件を削減するために、電子機器のリサイクルがますます求められるようになっている。
IDTechExの最新レポート「持続可能なエレクトロニクスと半導体製造 2025-2035:主要プレーヤー、市場、予測」には、PCB向けのリサイクル可能な材料の概要と、それらの本格的な商業化準備状況に関する最新情報が掲載されている。以下では、これらのリサイクル可能で生分解性のある材料と、それらがエレクトロニクス製造における持続可能性をどのように促進するのかを簡単に紹介する。
ガラス繊維強化エポキシ樹脂積層板であるFR4は、軽量で堅ろう、かつ低価格であることからPCBの材料として使われているが、リサイクルが難しく、有害なハロゲン系難燃剤が含まれている場合がある。そのため、生分解性またはリサイクル可能な代替基板が求められている。
Jiva Materialsの「Soluboard」は、天然繊維(亜麻と黄麻)で作られた生分解性基板で、90℃のお湯で溶け、堆肥にできる有機物が残る。これは有望な新素材として注目を集めている。製品寿命が尽きた際に、部品のリサイクルや貴金属の回収が容易にできる。現在、Infineon TechnologiesがSoluboardをデモボードや評価ボードに使用している他、やJaguar、Microsoftなどの企業も同ボードを評価中だ。
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