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充実一途のEV技術、「リーフ」関連の展示も多数CEATEC JAPAN 2010(1/2 ページ)

2010年10月5日〜9日、『CATEC JAPAN 2010』が幕張メッセで開催された。カーエレクトロニクス関連で最も注目を集めたのは、同展示会に5年連続で出展している日産自動車のEV「リーフ」関連の展示であろう。また、リーフに限らず、非接触給電システムをはじめとするEV向け技術の展示が目立った。

» 2011年01月01日 00時00分 公開
[本誌編集部 取材班,Automotive Electronics]

「リーフ」を支える技術

 まず、日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」に採用されたシステムや部品について紹介する。


写真1パソコン上での「COOR」の利用イメージ 写真1 パソコン上での「COOR」の利用イメージ 充電スタンドの位置を考慮した経路案内の結果を表示している。
写真2「リーフ」に搭載されるカーナビと携帯電話通信モジュール 写真2 「リーフ」に搭載されるカーナビと携帯電話通信モジュール カーナビの開発は、クラリオンが担当した。
写真3車載充電器に採用されたアルミ電解コンデンサ 写真3 車載充電器に採用されたアルミ電解コンデンサ ニチコンが開発した「リーフ」向けの車載充電器に用いられている。

 日立オートモーティブシステムズは、リーフ向けに開発したテレマティクスサービスのプラットフォーム「COOR」を公開した。COORでは、専用データセンターから充電スタンドの位置情報を配信したり、充電スタンドを経由した最適な経路案内を行ったりするテレマティクスサービスの提供に加えて、EVの2次電池の残容量や走行情報などの収集/管理なども行うことができる。COORによるサービスは、車載端末以外に、パソコンやスマートホンでも利用することが可能だ(写真1)。

 また、リーフに搭載されるカーナビゲーションシステム(以下、カーナビ)と、携帯電話通信モジュールも披露された(写真2)。カーナビは、いわゆるミッドレンジクラスのものと同等の機能を備える。携帯電話通信モジュールは、NTTドコモのFOMA通信網を利用する。

 ニチコンは、リーフ向けの車載充電器と、その車載充電器に用いたアルミ電解コンデンサを展示した(写真3)。車載充電器の出力電力は最大3.3kWで、効率は最大90%となっている。


パイオニアに存在感

写真4HUDを用いたデモ 写真4 HUDを用いたデモ レーザープロジェクタを採用することで、高級車でしか利用できなかったHUDのコストを大衆車にも展開できるレベルまで低減できる。
写真5EV向けの非接触給電システム 写真5 EV向けの非接触給電システム 手前にある平らなユニットが送電モジュール。奥にあるのは充電の制御を行うユニットである。
写真6「HVTスピーカ」のスケルトンサンプル 写真6 「HVTスピーカ」のスケルトンサンプル 2010年2月に発売されたパイオニアの車載用サテライトスピーカ「TS-STH1000」の内部動作を確認できる。

 次に、2年ぶりの出展となったパイオニアの展示を3つ紹介する。

 1つ目は、2012年の市場投入を目標に開発が進められているヘッドアップディスプレイ(HUD)である(写真4)。このHUDの表示デバイスとして用いられているレーザープロジェクタでは、レーザーモジュールに、パイオニアが光ディスクドライブの開発で培ってきた技術を適用している。映像の表示は、ドライバーの前方、インストゥルメントパネルの上側に設置した半透過型のスクリーンに投影して行う。このスクリーンの透過と反射の比率は1:1である。解像度は800画素×267画素で、16ビットカラー(約6万5000色)の表示が可能。

 2つ目は、EV向けの非接触給電システムである(写真5)。非接触給電の方式としては、電磁誘導方式を用いており、出力電力は定格で3kW、コイル間の給電効率は90%以上。給電時における送電コイルと受電コイルの間のギャップは100mm。システムの総重量は8kgとなっている。EVと給電システムの間でやりとりする制御信号の通信には、無線LANを用いる。

 3つ目は、薄型で高音質であることを特徴とする「HVTスピーカ」(写真6)。通常のスピーカは、薄型化すると出力する音が歪(ひず)みやすくなる。特に、その影響は低音で顕著になる。一方、HVTスピーカは、独自構造を採用することで薄型化しても音が歪まないようになっている。「搭載スペースが限られている車載用途では、薄型化のメリットを生かしやすい」(同社)という。

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