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満充電からの走行距離で333kmを達成、SIM-DriveがEVの先行開発車両で

» 2011年03月30日 00時00分 公開
[Automotive Electronics]

 SIM-Driveは2011年3月、同社が開発を進めてきた電気自動車(EV)の先行開発車両「SIM-LEI(Leading Efficiency In-wheel Motor)」が、満充電の状態からの走行距離で333kmを達成したと発表した(写真1)。

 SIM-LEIは、車輪の中に走行用モーターを組み込む「インホイールモーター」と、2次電池パックやインバータなどモーター以外の電動システムを車両の床下のフレーム部に組み込む「コンポーネントビルトイン式フレーム」を採用したEVである。SIM-Driveは、2010年1月から2011年3月までの間、満充電の状態からの走行距離で300kmを超える先行開発車両として、SIM-LEIの開発を進めていた。


写真1 SIM-Driveの「SIM-LEI」 写真1 SIM-Driveの「SIM-LEI」 

 SIM-LEIは、走行エネルギー源となる2次電池として、総容量が24.9kWhのリチウムイオン電池パックを搭載している。このリチウムイオン電池パックを満充電にした状態から、JC08モード(日本における標準的な市街地走行モード)での走行距離で333kmを達成した。SIM-LEIとほぼ同じ、容量24kWhのリチウムイオン電池パックを搭載する日産自動車のEV「リーフ」の場合、満充電からの走行距離は200kmである。

 このような走行距離を実現できた理由としては、インホイールモーターが高効率であること、コンポーネントビルトイン式フレームにより車体重量を軽減できたことを挙げている。また、鋼鉄製のモノコックボディを採用することにより、さらなる車体の軽量化が図られている。加えて、入力密度の高いリチウムイオン電池の採用により、高い効率で制動力を回生できることも、走行距離の向上に貢献している。ほかにも、転がり摩擦抵抗の小さいタイヤの採用や、空気抵抗を低減するボディ設計なども大きな役割を果たしているという。

 そのほかの主な仕様は以下のとおり。定員は4名で、車両タイプは5ドアのハッチバック。インホイールモーターは、4個の車輪すべてに搭載されている。外形寸法は、全長4700mm×全幅1600mm×全高1550mmで、重量は1650kg。これは、全長が中型車クラス、全幅が小型車クラスと同等である。SIM-Driveは、各乗員の足元スペースや荷室の容量を大きくできるように設計したとしている。加速性能は、0km/hから100km/hまでで4.8秒。最高速度は150km/hとなっている。

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