本稿では、AC電源(商用電源)ラインが正常に通電しているか否かを非接触で検出できる回路を紹介する。
本稿では、AC電源(商用電源)ラインが正常に通電しているか否かを非接触で検出できる回路を紹介する。図1に示した回路では、NANDゲートIC1「CD4011」の高い入力インピーダンスを利用して、50Hz/60HzのAC電源ラインから生じる磁界を検出する。AC電源ラインのコンセントに検出器を近づけるだけで、正常に通電しているかどうかをチェックすることができる。正常であれば、LEDが点灯する。
検出器として用いるのは、銅線をコイル状にしたものである。この検出器を交流電流の流れている電線に近づけると、検出器のコイルに発生した電圧がIC1の 1番端子と2番端子に加わる。この電圧を受けて、IC1は、AC電源ラインの周波数に対応する矩形波を出力する。それによりLEDが点灯する仕組みだ。
検出用コイルの近傍に交流電流の流れている電線がない場合には、IC1の入力部に接続したダイオードD1「1N4148」がIC1への入力をローレベルにバイアスするように働く。これにより、IC1の最終出力が確実にローの状態となり、LEDがオフの状態が保持される。なお、IC1の残り3つのNAND ゲートは、図のように並列に接続することで(実際には、IC外部で結線する)、LEDを点灯させるのに十分な電流を流せるようにする。
回路の電源としては、3.6Vの充電式ニッケルカドミウム電池を使用する。この回路は、例えば図2のような形で、ポケットサイズの糊(のり)の空容器に組み込むことができる。また、表示用のLEDがオフの状態では電力をほとんど消費しない。そのため、電源用の電池としては、一般的なコイン型のリチウム電池を使用することもできる。
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