ロームは、「TECHNO-FRONTIER 2011」(2011年7月20日〜22日、東京ビッグサイト)において、同社の従来品と比べて暗電流の値を大幅に低減した車載用LDOレギュレータICの新製品「BD7□□L□シリーズ」を展示した。
BD7□□L□シリーズは、無負荷時の暗電流(定格値)が6.0μAと非常に小さいことを特徴としている。これは、同社従来品である「BD357□シリーズ」の1/5、競合他社品の1/15に相当する。
このように非常に小さな暗電流を実現できた理由は2つある。1つは、ICの入力インピーダンスを従来品よりも高めたことである。ただし、入力インピーダンスを高めると、LDOレギュレータに関わる回路で発生する発振の影響を受けやすくなる。この問題については、「従来品のBD357□シリーズと同様に、外付けのコンデンサによって十分対応できる」(ローム)という。もう1つは、IC内部の回路設計を改良したことだ。なお、製造プロセスについては、従来品のBD357□シリーズと同じものを用いている。
BD7□□L□シリーズの主な仕様は以下のとおり。出力電流が200mAもしくは500mA、出力電圧が3.3Vもしくは5.0Vの合計4品種を揃える。さらに、それぞれの品種に2種類のパッケージを用意している。入力電圧の最大定格は50V。動作温度範囲は−40〜125℃となっている。
展示スペースでは、BD7□□L□シリーズを含めた同社のLDOレギュレータIC3製品について、暗電流や消費電力を比較するデモンストレーションを行っていた(図1)。
(朴 尚洙)
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