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最大入力電圧が20VのLDOレギュレータ、出力電圧雑音を15μVrmsに低減

» 2011年12月16日 00時00分 公開
[EDN Japan]

 アナログ・デバイセズは、LDO(低ドロップアウト)レギュレータICの新製品「ADP7102」と「ADP7104」を発表した。20Vまでの入力電圧に対応する製品でありながら、出力電圧雑音を15μVrms(固定電圧品の場合)まで低減したことを特徴とする。これにより、LDOレギュレータICと、高分解能A-Dコンバータやオペアンプ、RF回路、PLL(Phased Lock Loop)回路などのアナログ回路の間に組み込んでいたフィルタ回路が不要になる。高い周波数を扱う通信インフラ機器や医療用撮像機器、計装機器といった、高性能アナログICを搭載する機器の用途に向ける。既に量産出荷を開始している。1000個購入時の単価は、ADP7102が1.26米ドルから、ADP7104が1.58米ドルから。

 ADP7102/ADP7104の入力電圧範囲は3.3〜20V。最大出力電流は、ADP7102が300mA、ADP7104が500mAである。出力電圧については、固定電圧品と可変電圧品で異なる。固定電圧品は1.5/1.8/2.5/3/3.3/5/9Vから選択する。可変電圧品の出力電圧は、1.22V〜(入力電圧−ドロップアウト電圧)の範囲で変更できる。ドロップアウト電圧は、最大出力電流のときにADP7102が200mV、ADP7104が280mV。

 周波数10Hz〜100kHzの出力電圧雑音は、固定電圧品が15μVrms。可変電圧品は入力電圧5.5V/出力電圧1.5Vのときに18μVrms、入力電圧12V/出力電圧5Vのときに30μVrms、入力電圧18V/出力電圧15Vのときに65μVrmsとなっている。PSRR(電源電圧変動除去比)は、固定電圧品が周波数10kHz/出力電圧3.3Vのときに60dB。可変電圧品は周波数10kHz/出力電圧5Vのときに80dBである。

 その他の仕様は以下の通り。逆電流保護、過電流保護、過温度保護などの保護機能を備える。パッケージは、外形寸法が3mm角の8端子LFCSP、もしくは外形寸法が5mm角の8端子SOICを選択できる。動作温度範囲は−40〜85℃。

 アナログ・デバイセズはこれまでに、10μVrmsと低い出力電圧雑音を特徴とするLDOレギュレータIC「ADP150」を発表している。ただし、ADP150は、入力電圧範囲が2.2〜5.5V、最大出力電流が150mAであったため、比較的高い電圧や大きな電流を必要とする高性能のアナログICと組み合わせることはできなかった。同社は、「ADP7102とADP7104を当社の高性能アナログICの顧客に積極的に提案していきたい」と述べている。

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