図2の基板はオシロスコープの測定部の基板で、この測定基板の下側に電源基板が実装されていた。電源基板のシールドボックスと測定基板はシールド線でハンダ付けされていたので、このシールド線はハンダコテで熱して外した。オシロスコープの電源基板の写真を図3に示す。
図3の左側のコンセントにAC100Vの電源を接続する。左上の白い部品が電源スイッチだ。右側のコネクタでオシロスコープの測定基板へ電源が供給されていた。また電池でも動作させることができ、基板の右下の2Pのコネクタに電池の電源を接続するようになっていた。2Pのコネクタの近くには8.4Vとシルク印刷されていた。
図3ではアルミのケースで回路が見えないがこのケースは5カ所基板にハンダ付けされていた。アルミケースを外した電源基板の写真を図4に示す。
電源基板にはICが3個、フォトカプラが1個しか使用されていなく、非常にシンプルな回路だった。図4の中央に134と記載されたトランスの左側が一次電源側、右側が二次電源側と考えられる。これなら何とか修理できそうだ。
図4の電解コンデンサの右側のICが恐らくAC100VからDC電源を生成している制御ICだろう。実装されているICの型名からデータシートを調べたが、「R7731A」と記載されていた。これは今まで見たことがない型名だ。Webでデータシートを検索したら台湾製の電源制御ICが見つかった。またデータシートの中に参考回路があった。図5に示す。なおICの赤字のピン番号は追記した。
R7731Aは8ピンのDIP-ICだ。しかし回路では6ピンしか使用されていない。非常にシンプルで、無駄がなく、分かりやすい回路構成だった。起動電流が30uAと非常に少ないのも大きな特徴だ。
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