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アナログ技術の継承は難しいWired, Weird(2/4 ページ)

» 2016年05月10日 12時00分 公開

近接センサーと金属板を駆使

 この糸巻き器には近接センサーと金属板が使われていた。糸巻きの終端に近づくと金属板と近接センサーの接触面積が増え、モーターのトルクを低下させる。糸を巻いている状態では金属板とセンサーが離れモーターのトルクが最大になるように制御されていた。図2は近接センサーと金属が離れているときの写真でS相の出力を早めにオンにしてモーターのトルクを最大にしていた。

図2:近接センサーと金属が離れている場合

 図2で金属板と基板の間にある黒いモールドが近接センサーだ。図2では金属板と近接センサーが離れておりこの状態でモーターのトルクを最大にしている。このときは白熱電球が最大の明るさになりモーターのトルクが最大になっていることが分かる。オシロスコープの波形は基板の実装されたトライアックのアノードとカソードの波形だ。AC電源の極性の切り替わり直後に短時間でトライアックがオンしているのが分かる。

 図3は糸巻き方向の切り替えタイミングが近くなった時の写真で、近接センサーと金属板が少し重なっている。この状態でS相をオンする時間を遅くして、3相モーターのトルクを低下させている。

図3:近接センサーと金属板が30%程度、重なっている場合 (クリックで拡大)

 図3では近接センサーの面積の30%程度が金属に触れている。このときAC電源のプラス方向ではトライアックはオンしているが、マイナス方向ではオフしておりモーターのトルクが半分になっていて、白熱電球の明るさも少し暗くなっている。図4は近接センサーと金属が完全に重なっているときの写真だ。

図4:近接センサーと金属が完全に重なっている場合 (クリックで拡大)

 図4では近接センサーの面積が100%金属に触れている。このときはトライアックを完全にオフにしてモーターのトルクを最小にしている。この3つの図で糸巻きの通常時、終端近く、終端でのモーターのトルク制御のイメージが読者に理解されたと思う。

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