TDKは2017年1月10日、定格電圧350Vまで対応したX2クラスのフィルムコンデンサーを発表した。欧米市場における太陽光発電インバーターの出力フィルターなどへ展開する。
TDKは2017年1月10日、「EPCOSブランド」としてX2クラスのMKPフィルムコンデンサー新シリーズを発表した。通常は305Vの定格電圧用に設計されているが、同シリーズは350Vまでの定格電圧に対応。入力電圧が200Vの欧米市場における太陽光発電インバーターの出力フィルターや、入力電圧が安定していない地域などで展開を狙う。
同社の担当者は「従来の305Vでも対応できたが、瞬間的なノイズが発生したときの余裕が足りなかった」と語る。詳細は非公開としたが、内部構造を変更したことで定格電圧を高めることに成功したという。
また、太陽光発電システムは従来の電源システムと違い屋外に設置されることが多く、湿度などの影響を受けやすい。そのため同シリーズは、厳しい環境下でも静電容量が安定する工夫を行っている。85℃、85%RH(相対湿度)、330Vac印加、1000時間の耐湿負荷試験では、静電容量変化率が7.5%を上回らないことを確認したとする。従来品は240Vac印加で同様の性能を実現していたが、330Vacでは初となる。担当者によると、耐湿性能を高くするために、サイズは従来よりも大きくなった。
静電容量範囲は0.47〜10μF(E12系列)で、静電容量に応じてULとEN規格に準拠している。リードピッチは27.5mmまたは37.5mm。難燃性の性能を表す規格「UL 94V-0」にも準拠した。最高動作温度は110℃となっている。
サンプル出荷が既に開始されており、2017年1月から量産出荷を開始した。価格については、非公開としている。製造は中国の珠海工場で行われているようだ。
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