STマイクロエレクトロニクスは、32ビットマイコンのSTM32製品群に「STM32G0」シリーズを追加した。性能や速度、精度の向上に加え、さまざまな省電力機能を搭載し、スマート機器の小型化、多機能化、高効率化に貢献する。
STマイクロエレクトロニクスは2018年12月、32ビットマイコンのSTM32製品群に「STM32G0」シリーズを追加した。性能や速度、精度が向上しており、スマート機器の小型化、多機能化、高効率化に貢献する。参考価格は、例えばマスマーケット向けの「STM32G070CBT6」(48ピン、Flashメモリ容量128Kバイト)が約0.69米ドルとなる。
STM32G0シリーズは、「Arm Cortex-M0+」プロセッサに加え、さまざまな省電力機能を搭載している。CPUの最大動作周波数は64MHzで、標準的なマイコンと比較して高速処理が可能だ。
効率は、駆動時で100μA/MHz未満と非常に高く、複数の省電力動作モードにより、バッテリーの長寿命化にも貢献する。例えば、リアルタイムクロック実行中の3.0V、25℃での動作時では、停止モードで3〜8μA、待機モードではわずか500nAだ。
また、16ビット分解能のハードウェアオーバーサンプリング機能に対応する12ビットA-Dコンバーター(2.5Mサンプル/秒)や、2チャンネルD-Aコンバーター、高速コンパレータ、分解能7.8ナノ秒の高精度タイマーも内蔵する。
さらに、ユーザーが設定できるI/Oの増加分や電力分配機能、4.5kVを超える高速トランジェントバースト保護機能を搭載。電磁感受性(EMS)対策機能も強化した。これらにより、電源デカップリング用の外付け部品を含む部品を減らせるため、基板レイアウトが簡略化し、基板面積や部材コストの削減につながる。
パッケージは、8ビットマイコンからのアップグレードが容易な8〜100ピンを用意。Flashメモリ容量は16K〜512Kバイトの間で選択できる。512Kバイトは小型の32ピンパッケージにも対応し、省スペース化とコスト削減を図りつつ、高性能アプリケーションが開発できる。
同シリーズは、スマートフォンやスマート家電、産業機器用モータ制御、IoT(モノのインターネット)機器、充電型ネットワーク接続機器、ドローン、照明システムなど、消費電力に制約のある機器やアプリケーションに適している。
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