次の事例は古い装置に使用されている温調器(=既に生産中止)の事例だ。この温調器の通信インタフェースは5線式のRS485が使用されている。ちなみに、最新の温調器は2線式のRS485が標準になっており、5線式は販売されていない。装置に実装された古い温調器の故障で最新の温調器へ代えるには、通信インタフェースの変換器を追加し、ソフトウェアも変更しなければならない。これではかなりのコストアップになるので、生産中止になっている古い温調器を探し出し、購入せざるを得ない。購入した部品の写真を図3に示す。
この温調器は以前に数回購入した経験があり、今までは問題なく動作していた。部品を受領して、以前購入した時と同様に部品に測温抵抗体PT-100を接続しAC100Vを通電したら温度表示が26℃だった。しかし、PT-100にハンダごてで高い温度を加えたが温度表示が変化しない。試験した写真を図4に示す。
図4ではセンサーにハンダこてを近づけて温度を上げたが表示温度は変わらず期待通りには動作しなかった。不良品として返却する可能性があったので測定方法と結果の写真を撮ってSellerへ送った。『出荷前にどのように検査したか』を質問したが、数日経っても返事はなかった。
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