AUTOSARは文書の量が多く(CPに関連するものだけでも2万ページ以上)、また実際に運用しようとするとノウハウが必要になる。
開発の進め方、流用可能なソフトウェアモジュールの判断、移植の計画、開発で必要となるスキルや道具の洗い出し、どんな準備やどれくらいの費用や工数が掛かるのかの見積りはそのノウハウの代表例である。
AUTOSAR CPに関しては、製品ベースのトレーニングはいくつかあるものの、規格内容そのものや運用に関する情報の提供はさほど多くない。
そうした中で、規格内容そのものや運用に関する情報の提供を目指した「AUTOSAR CP入門トレーニング」を実施している。AUTOSAR CPを導入するために知っておくべきことの一例として、同トレーニングの概要を紹介しておく。
コース区分 | 1日コース | 2日コース |
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主な対象 | AUTOSAR CPの導入を検討している方。 | 実際にAUTOSAR CPをベースにしたソフトウェア開発を始める、または開発中の方。 |
講義の目標 | AUTOSAR CPがどのようなものなのかを理解し、膨大な規格文書をある程度自力で読み進められるようになるためのノウハウを得る。 また、見積もり時には不可避の、ECUソフトウェア構成決定(BSWモジュールの選択含む)のために必要となる、各モジュールの機能や開発の流れなどの概要を把握する。 |
概要の理解だけではなく、その運用上の課題や対応を理解し、その後の活動に備える(現実的なプロジェクト計画を立てるためのノウハウを得て、SW-C開発やインテグレーション作業の具体的なイメージを把握できる) |
講義内容 | テキストのうち、第2、3、4部の概要および第5部「どれから読めばよいか? どう読み進めるか?」を講義 | 第1部〜第5部すべてを講義 |
テキスト目次 | ||
第1部:歴史および経緯 ・文書体系 ・バージョン、スケジュール ・メソドロジとソフトウェア・アーキテクチャ 第2部:アーキテクチャとBSW/RTE機能の全体像 第3部:開発作業の流れ(メソドロジ&テンプレート) 第4部:BSW/RTE機能の概要 ―― BSW 第5部:実務に必要な知識やあれこれ ・どれから読めばよいか? どう読み進めるか? ・見積り時に確認が必要な内容の例 ・Integration作業を理解する ・AUTOSARとの向き合い方 |
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【著:磯崎寿治/イーソル株式会社】
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