三菱電機は、5G(第5世代移動通信) massive MIMO基地局向けのGaN(窒化ガリウム)電力増幅器モジュール「MGFS48G38MB」のサンプル提供を開始した。400MHz帯域で43%以上の電力付加効率を達成していて、基地局の低消費電力化に寄与する。
三菱電機は2023年9月、5G(第5世代移動通信) massive MIMO基地局向けのGaN(窒化ガリウム)電力増幅器モジュール「MGFS48G38MB」のサンプル提供を開始した。3.4G〜3.8GHz帯に対応し、64T64R(64送信64受信)のmassive MIMOアンテナに適する。
MGFS48G38MBは、高効率化に有利なGaN HEMT(高電子移動度トランジスタ)を搭載。同社が開発したGaN HEMTは、エピタキシャル成長層を改善することで、効率的に動作し、低歪特性を有する。
また、GaN HEMTの出力寄生容量による帯域制限を緩和できる、独自の広帯域ドハティ回路設計技術を適用している。これにより、400MHz帯域で43%以上の電力付加効率を達成し、5G massive MIMO基地局の低消費電力化が可能となる。
外形サイズは11.5×8.0×1.4mm。電力増幅器をモジュール化していて、基地局の構成部品点数を削減し、回路設計のコストを低減する。周波数は3.4G〜3.8GHzで、推奨動作出力電力が8.0W(39dBm)、最大飽和出力電力が63W(48dBm)以上、動作利得が28dB以上となる。なお、RoHSに準拠している。
今後同社は、世界各国や地域で使用される周波数帯に適した製品や、32T32R(32送信32受信)アンテナに対応可能な高出力製品の開発も進める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.