本記事では、STマイクロエレクトロニクス(以下ST)の汎用32ビットマイコンSTM32L5x2s*3)を題材にして説明します。
(*3)STM32L5x2マイコン
「ハイレベルマイコン講座【EMS対策】(1) どのノイズ対策が最も効果的か? よくあるEMS対策を比較する【準備編】」でも述べたように、ハードウェアがノイズを受けやすい/ノイズを発生させやすい構造の場合、SPIなどのクロック同期式通信はノイズの影響を受けてしまいます。
ノイズを発生/受信させないための基本原則は、「配線パターンでアンテナを作らない」です。
アンテナ構造はノイズを受けやすく、また、電流が流れるとノイズを発生させやすくなるため、絶対に作ってはいけません。(図2)
信号線自体の耐ノイズ性を上げるためには、より線やシールド線の使用が効果的です。しかし、PCB上の配線パターンではできないため、「信号線を電源やグランドラインで挟む」構造にするとシールド効果が期待できます(図3(a))
また、信号線を直角に配線しないこともノイズの発生防止に重要です。直角の場合、配線のコーナー部分に電荷が集中し、そこからノイズが発生するといわれています(図3(b))
また、複数の信号線を平行に配線すると、クローストークの原因になります。平行配線をなくすことはできませんが、可能な限り減らすことを推奨します(図3(c))
これらの他にも、グランドパターンや電源パターンの構成を工夫することで、耐ノイズ性の向上やノイズの発生対策が可能です。
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