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SPI通信などのノイズ対策や、誤動作への対処法Q&Aで学ぶマイコン講座(90)(2/3 ページ)

» 2024年03月15日 11時00分 公開
[STマイクロエレクトロニクスSTマイクロエレクトロニクス]

 本記事では、STマイクロエレクトロニクス(以下ST)の汎用32ビットマイコンSTM32L5x2s*3)を題材にして説明します。

(*3)STM32L5x2マイコン

ハードウェアのノイズ対策

 「ハイレベルマイコン講座【EMS対策】(1) どのノイズ対策が最も効果的か? よくあるEMS対策を比較する【準備編】」でも述べたように、ハードウェアがノイズを受けやすい/ノイズを発生させやすい構造の場合、SPIなどのクロック同期式通信はノイズの影響を受けてしまいます。

 ノイズを発生/受信させないための基本原則は、「配線パターンでアンテナを作らない」です。

 アンテナ構造はノイズを受けやすく、また、電流が流れるとノイズを発生させやすくなるため、絶対に作ってはいけません。(図2

<strong>図2:プリント基板上にできるアンテナ構造</strong> 図2:プリント基板上にできるアンテナ構造[クリックで拡大]

 信号線自体の耐ノイズ性を上げるためには、より線やシールド線の使用が効果的です。しかし、PCB上の配線パターンではできないため、「信号線を電源やグランドラインで挟む」構造にするとシールド効果が期待できます(図3(a)

<strong>図3:プリント基板のノイズ対策配線パターン</strong> 図3:プリント基板のノイズ対策配線パターン[クリックで拡大]

 また、信号線を直角に配線しないこともノイズの発生防止に重要です。直角の場合、配線のコーナー部分に電荷が集中し、そこからノイズが発生するといわれています(図3(b)

 また、複数の信号線を平行に配線すると、クローストークの原因になります。平行配線をなくすことはできませんが、可能な限り減らすことを推奨します(図3(c)

 これらの他にも、グランドパターンや電源パターンの構成を工夫することで、耐ノイズ性の向上やノイズの発生対策が可能です。

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