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ゾーンアーキテクチャとイーサネットが自動車の将来を推進新機能採用やソフトウェア定義型自動車など(1/4 ページ)

自動車の新機能採用やソフトウェア定義型自動車(SDV)などの成長中のトレンドを実現するために必要なゾーンアーキテクチャおよびイーサネットについて解説します。

» 2024年04月18日 11時00分 公開

 ゾーンアーキテクチャとイーサネットは、自動車のネットワーク機能の将来を担っています。自動車の新機能採用と、各種センサーやアクチュエータのゾーンモジュールへの集約を実現するには、車内通信ネットワークで高帯域幅と低レイテンシを確保する必要があります。イーサネットを実装するゾーンアーキテクチャを活用して、ソフトウェア定義型自動車(SDV)という成長中のトレンドを実現します。

 現在の自動車では、ドメインアーキテクチャと呼ばれるE/E(電気/電子)アーキテクチャが主流になっています。ドメインアーキテクチャは、自動車内の物理的な位置に関係なく、特定の機能に基づいてECU(電子制御ユニット)をドメインごとに配置します。

 ゾーンアーキテクチャは、ドメインアーキテクチャとは対照的に、機能ではなく場所ごとに通信、電力分配、負荷制御を体系化します。ゾーンモジュールは、自動車のコンピューティングシステムと、スマートセンサーやECUのようなローカル、エッジ、ノードを結ぶ、ネットワークデータブリッジのような役割を果たします。自動車のケーブルを削減するために、ゾーンモジュールは(半導体スマートヒューズ機能を実装することで)さまざまなエッジ、ノードに電力を分配し、ローレベルコンピューティングを処理して、モーターや照明のようなローカル負荷を駆動します。

図1:ゾーンアーキテクチャの例 図1:ゾーンアーキテクチャの例[クリックで拡大]

 ゾーンモジュールは、エッジノード通信ネットワークを介してさまざまなセンサーとECUからのデータを転送し、統合されたセンサーデータを、バックボーン通信を介してセントラルコンピューティングシステムに転送します。同様に、ゾーンモジュールは、セントラルコンピューティングシステムから受信したデータをさまざまなアクチュエータに転送します。この場合もバックボーン通信を介して、エッジノード通信ネットワークを経由します。セントラルコンピューティングシステムとゾーンモジュールの間のこの双方向通信は、複数の先進運転支援システム(ADAS)カメラ、車両のモーション制御、アダプティブドライビングビームのような機能によって生成される大量のデータを処理するために、高帯域幅で低レイテンシの通信バックボーン通信を必要とします。

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