スイッチング損失を大幅削減、高電圧機器向けSiC-SBD:新電元工業 WSシリーズ
新電元工業は、高電圧機器向けSiCショットキーバリアダイオード「WS」シリーズを発表した。ファストリカバリーダイオードと比較し、順方向電圧を約50%、リカバリー特性を約85%低減した。
新電元工業は2024年12月、高電圧機器向けSiCショットキーバリアダイオード(SiC-SBD)「WS」シリーズを発表した。サンプル出荷は2025年3月、発売は2026年8月を予定している。
高電圧機器向けSiCショットキーバリアダイオード「WS」シリーズ 出所:新電元工業
WSシリーズは、産業/民生機器の高効率化に向けたファストリカバリーダイオード(FRD)からSiC-SBDへの置き換えと、高周波化による小型/軽量化のためのスイッチングノイズ対策のニーズに応えるものだ。
WSシリーズは、新電元工業の従来FRDと比較し、順方向電圧を約50%、リカバリー特性を約85%低減した。これによりスイッチング損失が大幅に削減され、機器の高効率化に貢献する。
ピーク逆電流が約70%改善したことにより、スイッチングノイズも大きく削減されるため、周辺回路の小型化にも貢献する。AEC-Q101準拠も予定していて、車載製品にも搭載できる。
ピーク繰返し逆電圧は650Vまたは1200Vで、平均順電流は10〜40A、サージ順電流は50Aまたは90A。−55〜+175℃の温度範囲で動作する。
サーバ電源として、産機電源、民生家電、オンボードチャージャー、車載用DC-DCコンバーター、PFC回路などでの利用を見込む。
- 漏れ電流を従来比99%低減する車載機器向けSBD
新電元工業は、車載機器向けショットキーバリアダイオード「SLSBD」シリーズのラインアップを拡充した。漏れ電流を従来比99%低減し、熱暴走を抑制することで、車載ECUの低損失化、小型化に貢献する。
- 低電流領域のSBD内蔵SiC-MOSFETモジュール
三菱電機は、大容量SiCパワー半導体「SBD内蔵SiC-MOSFETモジュール」の新製品として、定格電流400Aの「FMF400DC-66BEW」と同200Aの「FMF200DC-66BE」を発売した。鉄道車両や直流送電などの大型産業機器向けで、耐電圧はいずれも3.3kVだ。
- 第3世代の650V耐圧SiC SBD
東芝デバイス&ストレージは、産業機器向けに、第3世代の650V耐圧SiC(炭化ケイ素) ショットキーバリアダイオード「TRSxxx65H」シリーズを発売した。新たなショットキーメタルを採用している。
- 1700V対応のSiCショットキーバリアダイオード
Littelfuseジャパンは、1700V対応のSiCショットキーバリアダイオード「LSIC2SD170Bxx」シリーズの販売を開始する。産業や発電、エネルギー供給または貯蔵用途でのAC-DCおよびDC-DCパワーコンバーターに適する。
- 低オン抵抗/高信頼性 車載向けSiC MOSFETベアダイ品
東芝デバイス&ストレージは、車載トラクションインバーター用1200V耐圧SiC MOSFETのベアダイ製品「X5M007E120」を発表した。ショットキーバリアダイオードの配置を市松模様に変更したことで、バイポーラー通電を効果的に抑える。
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