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C言語コード生成ツールが普及する理由Q&Aで学ぶマイコン講座(114)(3/4 ページ)

» 2026年04月28日 11時00分 公開

コード生成ツールのメリット

 コード生成ツールの最初のメリットは、何と言っても「開発工数の大幅削減」です。これが最大のメリットだと言えます。マニュアルとにらめっこして、手作業でコーディングしていた時間が大幅に削減されるので、開発期間を大幅に短縮できます。削減されるのは時間だけではありません、ソフトウェアエンジニアのストレスも大幅に削減されます。実際にコードを作成した方は、よくお分かりになると思いますが、コーディング中は集中力が必要で、細かい点にも注意を払う必要があります。ソフトウェアエンジニアには、それが大きなストレスになります。

 そして、2つ目のメリットは「コードの品質の大幅な向上(テストカバレッジの向上)」です。

 大きなストレスの下、手作業でコーディングすると、間違いも起こしやすく、完成後のチェックもまたストレスになります。しかし、自動で生成されたコードは、基本的に間違いはありません。間違いが発生するとしたら、ソフトウェアエンジニアの設定ミスやツールの使い方のミスです。そのため、完成後のチェックも楽になります。完成後のチェックは、必然的にソフトウェアエンジニアが行わなくてはなりませんが、基本的な問題をチェックする負担が軽減します。その結果、コードの品質が大幅に向上します。

 一方、開発工数が大幅に削減され、品質も大幅に向上されると、人的資源の削減にもつながります。それが3つ目のメリットです。今まで人が行ってきた作業をツールが行ってくれるので、その分ヒューマンリソースを低減できます。さらに、マイコン開発の熟練知識がなくても、ある程度の品質レベルの設計が可能になります。

 以上をまとめると、コード生成ツールのメリットは、次のようになります。

  • 開発工数の大幅削減
  • 完成したコードの品質向上(テストカバレッジの向上)
  • 人的資源の削減

 ただし、懸念事項もあります。ツールの使い方さえ知っていれば、専門的な知識がなくても、コードが生成され、製品ができ上がります。ソフトウェアエンジニアはマイコンエンジニアとしての熟練した知識を、コード生成ツールとは別に、専門スキルとして身に付けなければなりません。それでこそ、本当の意味でのエンジニアと言えます。

実際のコード生成ツール

 ここでは、実際のコード生成ツールの使い方を、STM32CubeMXとSTM32F411※5)を例にして説明します。

(※5)STM32F411

 A-Dコンバーターの実際の設定手順を図3に示します。さまざまなタブを順次進んでいき、A-Dコンバーターを選択する画面に行きます。具体的には、「Pinout & Configuration」タブを選択し、左側の「Categories」タブ→「Analog」→「ADC1」を選択するとADC1 Mode and Configurationウィンドウが開きます。ここからA-Dコンバーターの機能の設定に入ります。細かい設定は、設定用タグ(DMA Settings、GPIO Settings、Parameter Settingsなど)を選択して、その中の各項目を設定します。

<strong>図3:A-Dコンバーターの詳細機能設定例</strong> 図3:A-Dコンバーターの詳細機能設定例[クリックで拡大]

 アナログ用の端子設定手順を図4に示します。設定はマイコンイメージの端子部分をクリックすることで行います。(1)PA0: AN0→(2)ADC1_IN0の順で行えば指定した端子を、アナログ入力端子に設定できます。設定されたピンは、色が緑に変わります。

<strong>図4:アナログ端子の設定</strong> 図4:アナログ端子の設定[クリックで拡大]

 クロックの設定手順を図5に示します。まず、Clock Configurationのタブを開きます。A-Dコンバーターの動作クロックを18MHzにするために、PCLK2を36MHzにします。操作画面で、PCLK2を36に変更し「Enter」します。すると、Clock Wizardのウィンドウが開きますので「OK」をクリックすると、CPUクロックが72MHz、ペリフェラルクロックPCLKが36MHzに設定されます。次に、A-Dコンバーターの分周比を2分周に設定します。ADC1 Mode and Configurationウィンドウに戻って、Parameter Settingsタグを選択します。すると、ADC Settingsの項が見えますので、クリックして開きます。一番上にClock Prescalerがありますので、PCLK2 divided by 2を選びます。これで、A-Dコンバーターの分周器は2分周に設定され、動作周波数は18MHzになります。

<strong>図5:クロック設定</strong> 図5:クロック設定[クリックで拡大]

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