液晶テレビとプラズマテレビの違い――。きちんと答えられますか?
液晶テレビとプラズマテレビはそもそも、発光原理が違います。発光原理は、テレビの電源を入れたときに映像が映る仕組みのことですが、その仕組みが違うことで「斜めから見る映像がきれいに見えるかどうか」「暗くした部屋で見る映画が鮮明に映るかどうか」などの特徴が異なります。
それぞれの特性を知ったうえで、自分に合ったデバイス(装置、ここでは液晶/プラズマ)を選択しましょう。
図1は液晶テレビが映像を映し出す仕組みを図で示したものです。イメージとしては、シャッターと同じ役割を持つ液晶が、ブラインドカーテンのように光源からの光の透過量を制御をしているという感覚です。液晶そのものは発光せず、バックライト(後部にある光源)からの光をブラインドカーテンで開けたり閉めたり、その加減を調節することで、映像を再現しています。
バックライトは基本的に発光し続けているので、テレビが次の指令を出さない限り、その状態を保ちます。すなわち、ホールド型表示です。
次に、図2のプラズマテレビについて説明します。液晶テレビがバックライトからの透過光で映像を作り出しているのに対し、プラズマテレビはデバイス(プラズマ)自体が光ります。分かりやすく例えると、プラズマテレビの中にはたくさんの豆電球が並んでおり、その1つ1つが必要に応じて光り加減を制御しています。
ここでイメージした豆電球(=セル)内には、ガスが含まれており、放電により内部に紫外線を発生します。この紫外線が、化学物質(蛍光体)に当たることで、光の3原色である、赤・青・緑が光り、これらが組み合わさることで映像を映し出します。それぞれの発光は、必要なときにパッとついてパッと消えるインパルス型表示です。
ではそれぞれのデバイスのメリット/デメリットについて説明していきましょう。
乙女ちゃんが考えるきれいな映像ってどんなもの?
うーん。やっぱり色がはっきりしていて、どの角度から見てもキレイに見えて、イケメンF1ドライバーの顔とかまではっきり見えちゃうヤツ!? でもあんまり細かく映るやつだと、女優さんの肌荒れとかも分かっちゃうかな……。
またイケメンか……F1ドライバーはヘルメットしてるからどちらにせよ見えないと思うけど……。つまり、視野角や動画解像度を重視するってことですか。
シヤカク? ドウガカイ……? なにそれ。
まぁ、順番に説明していこう。
ここでは、以下5つの項目を基に、液晶テレビとプラズマテレビのメリット/デメリットを紹介します。
コントラスト:画面内部の白と黒の輝度のこと。画面の光量などと同様に、見やすさに大きく影響する。同一画面内で表現できるものと、そうでないものがあるので注意が必要
色(色域):再現できる色の範囲、領域の面積
視野角特性:斜めから画面を見たときの見え方の違い
動画解像度:画素数ではない。動く映像において、いかに細かい描写が可能かを示した指標のこと。 2007年に次世代PDP開発センター(APDC)が開発した
電気代:テレビには電気代の指標として、各メーカーから提示されている年間消費電力量というものがある
コントラストには、暗い場所での見やすさの指標「暗所コントラスト」と、明るい場所での見やすさの指標「明所コントラスト」の2種類があります。
プラズマテレビはこの2種類のうち、暗所コントラストが強いといわれています。これは先ほど紹介した発光原理にあるように、デバイス1つ1つの発光を制御できる自発光方式のプラズマテレビの方が黒色を表現することに適しているからです。
一方、液晶テレビの発光原理は自発光ではなく、バックライトからの光をブラインドカーテンで制御することで映像を表現しています。この原理で黒を表現するにはカーテンを閉めてしまえばいいのですが、構造上どうしても光漏れが出てしまうので完全に光を遮断することができません。よって、プラズマテレビに比べると暗闇での映像は苦手だとされています。
部屋を暗くして映画を楽しみたい人には、プラズマがお勧めだとされているのはこうした理由があるからですね。
でもこの前、家電のお店に行ったら、どちらかというと液晶テレビの方が黒がはっきりしていた気がするけど……ついにわたしも目が壊れたか。
ふははは……たまにはいいこというじゃないか……! 乙女くん。まさにそのとおり! ――と、いいたいところなんだが、それは店内照明の明るさに関係があるんだよね。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.