直列で接続された4個のLiイオン電池モジュール、走行モーター用インバータなどから構成されている。北米市場向けコンパクトカー「シビック」のハイブリッド車(HEV)モデルに採用したものだ。
本田技研工業(以下、ホンダ)は、『人とくるまのテクノロジー展2011』(2011年5月18日〜20日)において、「シビック ハイブリッド」の新モデルに採用したリチウム(Li)イオン電池パックを公開した。
シビック ハイブリッドは、北米市場向けコンパクトカー「シビック」のハイブリッド車(HEV)モデルである。同社は、2011年4月にシビックのフルモデルチェンジを発表したばかり。シビック ハイブリッドも、新モデルが市場投入されている。同車両の最大の特徴は、同社のHEVとして初めてLiイオン電池を採用したことである。
展示したLiイオン電池パックは、直列で接続された4個のLiイオン電池モジュール、走行モーター用インバータなどから構成されている(写真1)。電池パックの仕様は、電圧が144V、出力が20kW、体積が16リットル、重量が22kgとなっている。一方、シビック ハイブリッドの従来モデル(2006年発売)に採用されたニッケル水素電池パックは、電圧が158V、出力が15kW、体積が25リットル、重量が31kgだった。つまり、新モデルの電池パックのLiイオン電池パックは、従来モデルと比べて、電圧は若干小さくなっているものの、出力が33%増、体積が36%減、重量が29%減となっている。
Liイオン電池モジュールは、直列で接続した10個の電池セルと、モジュール内の各電池セルの電圧監視用ECU(電子制御ユニット)から構成されている(写真2)。電池セルは、ホンダとジーエス・ユアサ コーポレーションの合弁企業であるブルーエナジーが製造した。外形は角型で、電圧が3.6V、容量が4.7Ah、重量が約300gである。
電池パックの冷却は、モジュール内の各電池セルの間に挟み込んである薄型の空冷用部品に、外部から取り込んだ空気を流し込むことによって行っている。
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