TDK-EPCは2011年8月、0603サイズ(外形寸法が0.6mm×0.3mm×0.3mm)の積層セラミックコイル「MLG0603Sシリーズ」において、インダクタンスが従来比で1.8倍となる180nHを達成した品種を追加したことを発表した。主に、携帯電話機やスマートフォンなど、モバイル機器の高周波回路部の用途に向ける。すでに、200万個/月の規模で量産を開始している。サンプル価格は10円。
これまで、MLG0603Sシリーズには、インダクタンスが最大100nHの品種しか存在していなかった。今回追加されたのは、インダクタンスが110nH〜180nHまでの6品種である。コイルの電極形状の最適化や、素材技術/プロセス技術の向上によって、従来の品種以上の薄層化/多層積層化を実現することで、同サイズでありながらインダクタンスを増やすことに成功した。
今回の発表により、MLG0603Sシリーズは、直流抵抗が0.1Ω〜8.5Ω、定格電流が50mA〜600mA、インダクタンスが0.3nH〜180nHの範囲で、62品種がそろうこととなった。なお、使用温度範囲は、−40〜125℃となっている。
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