ルネサス エレクトロニクスは2011年12月、交流回路の制御電源スイッチに用いられるトライアック(双方向サイリスタ)の新製品「BCR8LM-14LK」を発表した。耐圧は700Vで、定格実効オン電流は8Aである。従来品と同程度の高い転流特性を維持しながら、マイコンから出力されるような小さな電流でも駆動できるようにゲートトリガー電流を12mA以下に低減した。主に、洗濯機や冷蔵庫など白物家電の交流モーターやソレノイド、ヒーターの用途に向ける。2012年1月からサンプル出荷を、2012年3月から量産を開始する。2013年3月時点の量産規模は300万個/月を計画している。サンプル価格は80円。
一般的なトライアックのゲートトリガー電流は30mA以上と比較的大きい。このため、マイコンから駆動する場合には、出力電流を増幅する回路を追加しなければならない。BCR8LM-14LKは、転流特性の1つである転流時臨界オフ電圧上昇率を従来品と同程度の10V/μsに維持しながら、転流特性とトレードオフの関係にあるゲートトリガー電流を12mA以下に低減している。これにより先述した増幅回路が省けるので、電源回路のサイズ、コスト、消費電力を削減できるようになるという。
その他の仕様は以下の通り。定格サージオン電流は80A。パッケージはTO-220FL。
今後ルネサスは、BCR8LM-14LKをベースに、定格実効オン電流が12A、16A、20Aの品種を投入する方針。パッケージも、TO-220FLの他、非絶縁型のものを追加する予定だ。
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