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サンプル速度が1.5GSPSのD-Aコンバータ、消費電力は他社品の半分TI DAC34SH84

分解能が16ビットのD-A変換器を4チャネル内蔵するICである。競合他社の16ビットD-Aコンバータと比較して、サンプル速度を50%向上し、消費電力を半減したという。

» 2012年02月27日 17時15分 公開
[EDN Japan]

 日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2012年2月、分解能が16ビットのD-A変換器を4チャネル内蔵するIC「DAC34SH84」を発表した。サンプル速度は1.5Gサンプル/秒(GSPS)と高く、消費電力は1チャネル当たり326mWと低い。「競合他社の16ビットD-Aコンバータと比較して、サンプル速度を50%向上し、消費電力を半減した」(同社)という。主な用途は、携帯電話の基地局やリピータ、マイクロ波を使ったポイントツーポイント無線、ソフトウェア無線、波形発生システムなどである。既にサンプル出荷を開始しており、2012年4〜6月期から量産を始める。1000個購入時の参考単価は78米ドル。評価モジュール「DAC34SH84EVM」も、参考価格499米ドルで提供中だ。


 入力信号速度は750Mサンプル/秒(MSPS)、複合帯域幅は最高で600MHzを実現している。また、2倍/4倍/8倍/16倍から選択できるインターポレーション(補間)フィルタと、互いに独立した2個の32ビットNCO(数値制御発振器)を内蔵している。これらを用いれば、通信の状況に応じて使用周波数を動的に変化させる周波数アジリティ機能をシステムに組み込みやすいという。RF(高周波)の送信経路全体を較正する機能も集積しており、側波帯や局部発振器の通り抜けの抑制に利用できる。

 その他の仕様は以下の通り。電源電圧は、周辺アナログ回路/入出力インタフェース(LVDS)/PLL回路が3.3V、デジタル回路が1.25V、クロック回路とD-A変換器が1.3V、入出力インタフェース(CMOS)が3.3V。微分非直線性誤差(DNL)は±2LSB(標準値)で、積分非直線性誤差(INL)は±4LSB。雑音スペクトル密度は160dBc/Hz、スプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR)は80dBcである。動作温度範囲は−40〜85℃。パッケージは、外形寸法が12mm角の196端子BGAで、1.25GSPSで動作する同社のD-Aコンバータ「DAC34H84」と端子互換性を有している。

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