アナログ・デバイセズの電圧リファレンスIC「ADR45xx」シリーズは、出力電圧の雑音を低く抑え、高い精度を確保しながらも、価格を2〜3米ドル台に抑えている。データ集録システムや計測機器、プロセス制御などに使うA-D変換器やD-A変換器のリファレンス電圧源として利用可能だ。
アナログ・デバイセズは2012年5月、出力電圧の雑音を低く抑え、高い精度を確保しながらも、価格を2〜3米ドル台に設定した電圧リファレンスIC群「ADR45xx」を発表した。出力電圧が2.048V、2.500V、3.000V、3.300V、4.096V、5.000Vと異なる6品種を用意する。6品種ともに動作温度範囲は−40〜+125℃。各品種に、この全範囲にわたって温度係数が最大5ppm/℃のAグレード品と、同2ppm/℃のBグレード品を用意した。価格については、いずれの品種もAグレード品を2.45米ドル、Bグレード品を3.45米ドルに抑えている(1000個購入時の米国における参考単価)。データ集録システムや計測機器、プロセス制御、自動車用バッテリ監視システムなどに使うA-D変換器やD-A変換器のリファレンス電圧源として利用可能だ。
ADR45xxについて同社は、「雑音特性、出力電圧の初期精度、温度係数(TC)特性、長期安定性、これらの全てにおいて業界最高レベルを達成した」(同社)と主張する。具体的な特性は以下の通り。出力電圧雑音は、低周波帯において0.5ppmに抑えており、例えば出力電圧が2.048Vの「ADR4520」で1μVpp以下(0.1〜10Hzにおいて)。6品種ともに、初期精度は最大±0.02%、長期安定性は1000時間当たり標準25ppmである。
電源電圧範囲は3〜15V。出力電流は±10mA(ソース/シンク両対応)。静止電流は最大950μAに抑えた。パッケージはSOIC-8。6品種ともに量産出荷を始めている。
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