先述のように、IoTの価値は相互接続されたデバイスの中、つまり、それらが生成するデータやメタデータにある。利用する通信技術により必要となるソフトウェアの規模が左右され、その結果、ハードウェアに対する要求とコストが異なってくる。さらに、IoTデバイスは、極めて多種多様な方法で、衣服や家あるいはビルディングやキャンパス、さらには身体の中にさえも配置、展開されるものなので、1つのネットワーク技術が全ての条件にフィットするということはあり得ない。
IoTデバイスをどこか(例えば、工場)に設置しようとする場合、膨大な数のセンサーとアクチュエータを広い範囲に分散配置することがある。このような場合のデバイスにはワイヤレス技術が最適だ。エッジ/センシングノードにはシステムタイプと同様にさまざまなタイプがあり、それらの一部は既に標準化されている。そのため、非常に多くの種類のマシン‐マシン間(Machine to Machine:M2M)通信技術が利用されている。その中には、IoTやM2Mの概念を取り込んだ技術もあり、それらは無線周波数や消費電力あるいはプロトコルの複雑さなどに独自性を有している。従って、ローカルネットワーク技術の選択が組み込みシステム開発者にとって重要な課題となる。多くの場合に1つだけが最善という選択肢はない。現状で利用可能な技術は、特定の垂直市場(スマートヘルスケア、スマートグリッドなど)を対象として狭い範囲に専用化されているからだ。
図2にはワイヤレスセンサーネットワークでのノードとエッジノードの位置を示した。
これらのデバイスの定義は次の通りだ。
この種の組み込みシステムは製造規模が最大化する傾向にある。WSNノードは1つまたは、ごく少数の機能(温度や圧力などの環境変数を読み取る、あるいは照明やモータをオンするなど)を実行する組み込みシステムだ。WSNは極めて低コストであり、大規模に分散展開できる。また、バッテリーまたはエナジーハーベスト(環境発電)により動作できるような低電力である。
環境発電は新しい技術であり、外部エネルギー源(太陽光、熱、風力、電磁放射、力学エネルギーなど)から電力を発生、蓄積し、WSNノードのような小型、低消費電力、ワイヤレス、自立型デバイスに供給する。
WSNエッジノードはIP接続能力を有するWSNノードだ。これはWSNとIPネットワークとの間のゲートウェイとして働く。また、ローカルでの処理やストレージ、さらにはユーザーインタフェースとしても働く。
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