マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「Quad SPIって何?」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、中級者から多く寄せられる質問です。
マイコンのカタログや説明書に「Quad SPI搭載」と書かれていますが、そもそも“Quad SPI”とは何ですか? どのような機能で、どのような場合に使うのでしょうか?
Quad SPI(クアッド・エスピーアイ)は、通信機能の1つです。Quad SPI フラッシュメモリなどのシリアルメモリにアクセスする機能です。ユーザーは、外部のシリアルメモリとマイコンのインタフェースの設計が容易になり、ピン数を節約することができます。
最近のマイコンの内蔵メモリは、昔に比べるとかなり大容量になってきました。しかし、それでも不足する場合に、外部メモリを使用する必要があります。通常のメモリはアドレス線、データ線、信号線などを使うため複数のピンが必要になりますが、シリアルメモリを使うと、シリアル通信でメモリにアクセスできるため、少ないピン数で接続できます。
Quad SPIを使うと、容易にシリアルメモリと接続することができますので、ユーザーは手軽に外部メモリを増設できるのです。
図1にSTマイクロエレクトロニクスのSTM32F7シリーズに搭載されているQuad SPIの使用例を紹介します。メモリ・マップドモードを使うと、シリアルメモリを通常のメモリの様にメモリマップに配置することができます。
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