セイコーエプソンは、補聴器など小型機器向けのパワーマネジメントIC「S1A00210B」を発表した。1チップに受電、充電、電源供給、バッテリー保護、フラッシュROMなど必要な機能を集約している。
セイコーエプソンは2025年3月、補聴器など小型機器向けのパワーマネジメントIC「S1A00210B」を発表した。サンプルは同年4月下旬から予約受付を開始し、同年8月に出荷する予定だ。
S1A00210Bは、パワーマネジメントICに必要な受電、充電、電源供給、バッテリー保護、フラッシュROMなどの電源管理機能を1チップに集積し、回路設計を簡素化できる。ワイヤレス充電、接点充電どちらにも対応可能だ。
同社従来品の「S1A00112B」よりも転送周波数が向上したことで、小型コイルを使用できるようになり、搭載製品の小型化に寄与する。バッテリー充電プロファイルの2種類記憶と充放電回数の管理により、特性が異なるバッテリーや繰り返し充電したバッテリーでも、高速充電やバッテリーの長寿命化が可能になる。
LDOレギュレーターを搭載していて、出力電圧1.8〜3.0Vの範囲で設定してシステムに電源供給できる。補聴器に搭載するBluetooth Low Energy(BLE)対応チップやセンサーなどへの電源供給用ICが必要なくなり、部品点数を削減できる。
充電電源範囲は2.3〜5.25V、充電方式はCC-CV充電で、システムへの電源供給はLDOの他にチャージポンプでも可能だ。I2Cインタフェースは1チャンネルで、充電および放電に関してプロファイル設定やステータスの読み取りができるほか、制御コマンドを送信できる。
パッケージは、2.5×3.4×0.5mmサイズのWCSP-48ボールで提供する。主な用途として、補聴器や集音器、スマートリングなどの小型機器を見込む。
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