LEDは表示用や照明用といった一般的な用途だけでなく、光起電力型の検知器(光センサー)としても使用可能である。今回は、LEDを光センサーとして使用する回路図を紹介する。
LEDは表示用や照明用といった一般的な用途だけでなく、光起電力型の検知器(光センサー)としても使用可能である脚注1,2。赤色LEDを電圧計に接続し、そのLEDに、同じく赤色LEDのような高輝度光源からの光を照射すると、電圧計は1.4V以上の電圧を検出する(図1)。
脚注1:Dietz,Paul, William Yerazunis,and Darren Leigh, "Very LowCost Sensing and Communication Using Bidirectional LEDs," Mitsubishi Research Laboratories, July 2003.
脚注2:Petrie, Garry, "The Perfect LED Light," Resurgent Software, 2001.
この動作は、LEDの等価回路によって説明できる。逆バイアスされたLEDの等価回路は、充電されたコンデンサーと、入射光の強度に依存する電流源の並列回路によって表現できる。入射光の強度が強くなると電流が増大し、コンデンサーの放電が急速になる。
図2に示したのは、LEDを光センサーとして使用する方法の概念図である。マイクロコントローラ出力の1つ(2番端子)をLEDのカソードに接続するとLEDは逆バイアスされ、その内部容量がマイクロコントローラの電源電圧レベルで充電される。次に、スイッチの切り替えによってLEDのカソードをマイクロコントローラの入力(3番端子)に接続すると、LEDはハイインピーダンス負荷に接続されることになる。
ここでLEDに光を照射すると、光電流が発生する。すると、電源電圧レベルで充電されていたLEDの内部容量が放電して光電流が流れ、内部容量の両端の電圧が低下する。この電圧がさらに低下してマイクロコントローラの入力閾(しきい)値以下になると、3番端子には論理値の「0」が入力されることになる。
入射光の強度が高くなるほど内部容量の放電が急速になり、入射光の強度が低くなると放電速度は遅くなる。マイクロコントローラの内部では、3番端子の入力電圧が論理値の「0」になるまでの時間が計測され、その結果を入射光の強度に換算する。
なお、マイクロコントローラにより、光センサーとして使用されるLEDそのものを入射光の強度に比例する周波数で発光させることも可能である。
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