主に低電力ランモードを使えば効果的です。携帯型機器などの電池駆動の用途では、できる限り電池寿命を長くしなければなりません。そのため、通常動作中でも電力を抑えるようにします。マイコンの高速動作が必要とされない携帯型機器では、低電力ランモードを用いると効果的です。高速動作が必要な時だけ、ランモードで動作するように切り替えれば、より効果的に電力を最適化できます。
主にスリープモードまたは低電力スリープモードを使います。例えば、通信機能の受信だけ動作させて、CPUを止めておきます。通信が終わって受け取ったデータを処理する時にCPUを起こして、ランモードで処理します。このような場合はランモードとスリープモードを使うと、電力を最適化できます。スリープモードで動作する機能にDMA(Direct Memory Access)とRAMが含まれていますので、DMAとUARTを動作させておいて、受信データをRAMのテーブルに格納することは、CPUが動作していなくても行えます。
主にストップモード2を使います。時間をカウントするRTC(Real-Time Clock)と液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)は動作しているので、事足りるためです。LCDの時計表示は維持され、秒単位の表示であれば1秒ごとに、LCDの表示を変更するためにCPUを起こして低電力ランモードに遷移させ、表示が変われば再びストップモード2に戻します。これを繰り返せば、電流値は低く維持できますので、電池が長持ちします。
各モード間を遷移する場合には、遷移時間が必要になります。遷移時間は主に「内部の論理動作が必要とする時間」と「内部のアナログ回路の立ち上がり時間」と「発振回路の起動時間などの外部要因の時間」です。
図2中で、シャットダウンモードからランモードに復帰するには250マイクロ秒かかります。スリープモードからだとシステムクロック6サイクルです。この時間を考慮しておかないと、低消費電力モードから復帰した直後の動作で、誤動作が発生する可能性があります。
ここで、サイクル数で定義している時間は、「内部の論理動作が必要とする時間」です。絶対時間で定義している時間は「内部のアナログ回路の起動時間」です。「発振回路の起動時間などの外部要因の時間」は、外部要因に依存するので、マイコン側では定義できません。ユーザーが外部要因の仕様を確認する必要があります。
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