マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、超初心者の方からよく質問される「マイコンの周辺部品は、最低何が必要?」です。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、超初心者から多く寄せられる質問です。
マイコンを使いたいのですが、どのような電気回路を作ればよいか分かりません。マイコン関連の雑誌、解説書、Webサイトなどを調べましたが、どれも複雑な回路になっています。マイコン自体を動作させる電気部品は最低限、何が必要なのですか。最も簡単にマイコンを動作させるには、どのような電気回路を作れば良いのでしょうか?
マイコンを動作させるために必要な回路は、少なくとも3つあります。それは、「電源回路」と「クロック回路」と「リセット回路」です。必須ではないのですが実際は、「マイコン製品特有の回路」「補助的な回路」と「用途毎の応用回路」も必要です。
「電源回路」は、マイコンに電源を供給するための回路で、ユーザーが必ず用意しなければなりません。
マイコン内部の回路はクロックに同期して動作するため、「クロック回路」も必要になります。マイコンをスタートさせるには「リセット回路」が欠かせません。「クロック回路」と「リセット回路」はマイコンに内蔵されている場合がありますので、それらを使えれば不要になります。
「マイコン製品特有の回路」は製品の仕様に従って準備する必要があります。
「補助的な回路」とはマイコンの動作に直接関係しないのですが、実使用上必要な回路です。例えば、ノイズ対策、電源安定化用のデカップリング・コンデンサーなどです。「用途毎の応用回路」とは、マイコンの用途に応じて必要な回路(例えばUSBなどに附随する回路など)です。
図1に市販されているマイコン「STM32F103」(STマイクロエレクトロニクス製)を使った回路例を示します。
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