マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「マイコンに搭載されているメモリの種類と特長」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、初級者から多く寄せられる質問です。
マイコンにはいろいろなメモリが搭載されていますが、どのような種類のメモリがあって、どのような特長があるのですか? また、どのように使い分ければよいのでしょうか?
マイコンに搭載されているメモリは大きく分けると2種類になります。1つは電源を切っても内容が消えない「不揮発性メモリ(Non-Volatile Memory)」です。もう1つは、電源を切ったら内容が消えてしまう「揮発性メモリ(Volatile Memory)」です。一般的に、不揮発性メモリはROM(Read Only Memory)で、揮発性メモリは、RAM(Random Access Memory)と呼ばれます。
ROMには、製造工程でメモリにデータを作り込む方式のマスクROM(内容の書き換え不可)や、内容の書き換えが可能なプログラマブルROMがあります。プログラマブルROMの中には、電気的に消去と再書き込みが可能なフラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)があり、書き込みは電気的に行うが消去は紫外線を使うEPROM(Erasable Programmable ROM)があります。RAMにはDRAM(Dynamic RAM)とSRAM(Static RAM)があります。
最近のマイコンに搭載されているROMは、フラッシュメモリやEEPROMが主流ですが、以前はマスクROMやEPROMが主流でした。一方、RAMは昔からSRAMが主流です。
内容を頻繁に書き換えない命令コードにはフラッシュメモリが使われて、頻繁に内容を書き換えたいデータにはSRAMが使われます。電源が消えても残したいデータにはフラッシュメモリやEEPROMが使われます(図1参照)。
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