図1と図2には、異なる位相での電流の流れを示した。位相1(正相)では、励起電流はIOUT1から流れ出し、RLOWを通り、さらにQ2からRREFを通って接地に流れる(図1)。位相2(逆相)では、励起電流はIOUT2から流れ出し、RLOWを通り、さらにQ1からRREFを通って接地に流れる(図2)。
位相1では、
である。続いて電流源を切り替えた位相2では、
である。ソフトウェアで2つの測定値を組み合わせると、熱起電力を相殺でき、
が得られる。
最後に、この相対比較測定値を絶対測定値に変換する必要がある。そのために、「未知」の相対比較用基準電圧を用いて、既知の電圧を測定する。未知の基準に基づいてこの既知の電圧を読み取れば、未知の基準電圧を推定でき、ピンAIN1およびAIN2上の電位差VDIFFの絶対値を推定できる。
ADR420のような基準電圧源を用いれば、2.048Vという既知の電圧を供給できる。これを差動入力のもう1つのペアAIN3およびAIN4に接続し、24ビットA-D変換器のメインチャンネルに導く。
【アナログ機能回路】:フィルター回路や発振回路、センサー回路など
【パワー関連と電源】:ノイズの低減手法、保護回路など
【ディスプレイとドライバー】:LEDの制御、活用法など
【計測とテスト】:簡易テスターの設計例、旧式の計測装置の有効な活用法など
【信号源とパルス処理】:その他のユニークな回路
※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事から200本を厳選し、5つのカテゴリーに分けて収録した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.