減圧機器のコントローラー修理の続きを紹介する。前回は、詳細に調べなかったリレー基板を調べると、よく分からない回路が出現したので、調べて見ることにした――。
今回は減圧機器のコントローラー修理の続きだ。前回はコントローラーの主要部品を詳細に点検し不具合要因と思われたAC200Vリレーを交換して顧客へ返却したが『修理前と同じ現象で動作しない』という結果だった。何も情報がない修理がいかに難しいかを実感した。
修理品を再度引き取って、前回の修理時には正確に把握していなかったリレー基板の抵抗器とコンデンサーの回路を調べてみた。この回路はACリレー、抵抗器、コンデンサーの3つの部品が接続されていた。また3つの部品は他端の接続先がAC200V三相電源のR、S、T端子だった。この回路接続は何を意味するのか? これが不具合解決の鍵なのか?
接続回路図を図1に示す。
図1の三相電源に接続されている回路の意味がよく分からなかった。依頼されたコントローラーが接続される減圧機器には三相モーターが使用されており、モーターの回転方向を監視する回路ではないかと考えられた。
また、『今までは正常に動作していたが、電源を切って再投入したら、表示は点灯せず、ブザーが鳴って動作しなくなった』という依頼主から聞いた症状の意味を考えた。その結果、電源投入時に監視回路が動作してインターロックが掛かり、減圧機器が動作しなかったのではないかと推測した。
Webで『3相電源 監視回路』というワードで検索したところ『反相リレー』と『逆相リレー』という名称が見つかった。さらに『反相リレー』で検索すると、製品名称が『反相リレー』という富士電機製の部品も見つかった。この部品の説明を確認すると『三相電源に接続すれば、電圧が加わると同時に正相、反相を判別し、反相での電磁開閉器の投入を防止します』と説明されており、用途が明確に分かった。
なお、『逆相』についても調べたが『反相』とほぼ同じ意味のようだ。この回路は三相電源の接続が正しいかどうかを判別する回路だった。
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